第106話 チラリズム
最近セクハラ多いね、と思われているかもしれないでござる。まあこれだけ多くの女の人に囲まれて続けてたらそりゃ慣れるってもの。ジャ○プだって中盤あたりにはもうキョドってないし。
「はあ、ようやく解放されたわ…。しばらく人騙すのはやめよ」
我に帰ったレイミさん。まだ肩まで真っ赤でビンビンに立っているでござる。次人のこと騙したらR18の刑でござる。
「おいおいトモミン、いきなり実家に挨拶っていくらなんでも飛びすぎだろ」
「それリエッセさんが言う?」
吾が輩が食べた石は勾玉?でしかも伝説の存在だったとか。なんでそんなのがあるところを普通に見つけられたのか謎でござる。しかもあの時は地元住みの同志がいて吾が輩一人ではなかったし、同志は第六感もなにもない普通の人でござる。
「崩れた遺跡は復元してもらうんだけど、その費用を請求されないだけでもマシと思ってよ」
「ち、ちなみにおいくら万円でござる…?」
「んー聞いた話だと今のところ、ざっと10億くらいだそうよ」
( Д ) ゜ ゜
「マジでござるかレイミさん…。それはちょっと払えないでござる……」
「でしょ?」
蓄えがないかと言ったらそんなことない。ここ数ヶ月やってる暇なくてトレードやらなにやらやってる暇なかったけど、何億かはあるでござる。さすがに10億は無理だけど…。いや使いすぎなだけだけど。
「気にすんなよござる。あたしと結婚すれば10億なんざ端金だ」
「私と結構してくれてもいいのよ? 10億くらいな今すぐにでも用意出来るわよ」
「それ絶対横領してるでござる」
「まあ旦那様♪は置いといて実家に来てもらわなきゃいけないのは確かよ。見てもらいたいものもあるし」
「見てもらいたいものでござるか? 吾が輩に?」
「うん。崩れた遺跡でなぜか無傷で残っていた石棺があってね」
そういえばそんなのもあったでござる。中を|д゜)チラッと覗いたら完全にミイラ化した人がいてビビってすぐ閉じた……ような曖昧3センチな記憶だけど。
「無理を言ってそれだけ出してもらって実家のとある場所で保管してるんだけど、その中の人甦りそうになってるの」
「?!」
「凄い、そんなことあるですね」
いやいやそんなことあるはずないでござる。青龍たん案外バカでござるな。ミイラが甦るなんて常識で考えようが考古学で考えようが生物学で考えようがあり得ないでござる。
あっ青龍たん人間じゃねえ。
「あれ、それってひょっとして私?」
「うん。ちょっと待ってて、写真持ってきてるから」
そう言うとトモミンは一旦すっかりあったかくなった水風呂から上がり脱衣場に行き、戻ってくると二枚の写真を見せてくれた。今思ったけどトモミンとリエッセさんは水風呂だったって気付いてなさそうでござる。人間湯沸かし器の吾輩が冷めてるからかも。
「これが持ち出してもらったときの写真」
「おおう、これは結構きっついな……」
ミイラってようは死体でもあるでござる。そんな写真なんか見る機会なんかないからなずなたんには言っちゃ悪いけど気持ち悪いでござる。
「そしてこれがこの間の写真」
「うおっ」
「確かに戻ってますね」
「本当にわたしだー」
「ちょっちょっちょっ、なずなたんどういうことでござるか」
「わたしに聞かれても……。わたしは今ござるくんの力で魂を具現化してるし…、空っぽの体が元に戻ってるって言われてもねぇ……(心当たりはあるけれど)」
無傷だった石棺。現代に甦る古代の巫女。正直そんなのアリかよと思うでござるが、怪人が甦るとかそういうワケじゃないからまいっか。
「なずなたんの生身の方のおっぱいも揉みしだきたいでござる」
「…なにそれ。おねえちゃんにも手出したの?」
「ベッドで寝てみたいって言ったら入れてくれたから、そのご褒美にって。優しくしてくれたよ?」
「……」
「トモミン待って欲しいでござる。取り敢えず無言で拳振り上げて迫るのやめ(ry」
ゴキャ!
ゆうしゃ は しんでしまった !
「やってる場合じゃない。あぶないあぶない死んでしまうところでござる」
「チッ、そのまま死ねばいいのに。取り敢えず予定決まったらLIMEするから」
「はーい。ようやくおうちに帰れるお…」
途中仮眠はあったけど、もう三日か四日はまともに寝てないでござる。
「そろそろふやけるし上がりましょうか」
「つーかよ、この風呂ちょっとぬるくないか? 43度あるといいんだけど」
「元は水風呂ですしおすし。超必殺技使ったら熱持っちゃって仕方ないから作ってもらったでござる」
「お前が沸かしたんかーい」
「これでも北極で一日冷ましてきてるでござる」
「なんじゃそりゃ」
「あ、車ここに置いてあるから乗って帰ってね」
「すっかり忘れてたでござる。ありがとうございます」
赤い紙と青い紙の国語の先生を取っ捕まえに行ったときからそのまま小学校に置きっぱだった。キーは吾が輩が持ってるのにここにあるってことはわざわざレッカーしてくれたでござるか。
「ただいまーでござる」
「お兄ちゃんおかえりー。なんか大変だったね」
「レイミさんとこに匿われてたからぶっちゃけ吾が輩なんもしてないでござるよ?」
「なんだつまんない。ねえ、それよりも見て見て」
「おお?」
家に帰ると妹君が迎えてくれた。つまんないって別に遊びに行ってたんじゃないでござる。気が付けばいつもの中学校とは違う制服を着ている。いつもは真っ黒のいわゆるセーラー服だけど、これはブラウンのブレザー。くるっと回って見せてくれたそれはヒラッとスカートが舞い上がってパンツが|д゜)チラッと。
「淡いピンク」
「ぎゃっ! おにいちゃんのえっち! すけべ! 変態! 童貞!」
「どどど童貞じゃないし! まあお約束はこのくらいにして、なにそれどうしたでござるか」
「私の中学校、武蔵野大学付属第二中学になるって! これ編入のパンフレット」
パンフレットと言いつつ、いつかのハワイの遠足のしおりと同様フルカラーの冊子でしかも表紙は箔押しでござる。編入のご案内とあるけどこれ入学のご案内になったら立派な本が送られてくるのかな。
「へー、さすがレイミさんやること早いでござる。っていやいやいくらなんでも早すぎでしょ。え?編入?しかし会長のおばあちゃんはいいのかな」
「なにが?」
「レイミさんめっちゃ好き勝手やってるからいいのかなーって」
「いいんじゃない? いやー高校受験も大学受験も気にしなくていいって最高ですなあ」
「へェっ?!」
変な声出たでござる。んなバカな。武蔵野はエスカレーターだけどそれは最低でも小学校から通っていないといけない条件のはず。外部編入の妹君がなんでエスカレーターでござるか。
「お兄ちゃんがいない間に会長のおばあちゃん家で制服の採寸してもらったんだけどね、その時に皆エスカレーターで大学まで行けるって」
「学生服ってそんな数日で出来るものじゃないはずだし大学までエスカレーターってええ?!」
あれこれひょっとして吾が輩だけ中卒フラグ?
「ただいまー。あー、久しぶりに動くとしんどい……」
「母上おかえりー」
「あらタケちゃんおかえり。買い物しんどい、荷物パス」
「はいはい」
「お母さんよわっ」
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