ラブレター



面倒見のいいところ

気遣えるところ

ふざけるところ

優しいところ


ずっと先輩が憧れでした



考え方が少し窮屈なところ

酔うと語り始めるところ

拘りが強いところ

メリハリのあるところ


憧れはいつしか好きに変わっていました



先輩を好きだと気づいてから

世界は鮮やかになりました


全ての出来事が新鮮に感じました



話しかけてくれる時や

たまに独り占めできる時

些細な出来事全てが

嬉しくて幸せでした


小さなことを気にしたり

気づけば目で追っていたり

くだらないことで悩んだり

先輩への好きは募りました


とても辛い時もあったし

とても楽しい時もありました


たくさん悩んで

たくさん考えました



本当はわかっていたんです

この想いに気づいた時から


私の描く幸せが

実現しないということくらい


先輩にとって私は

後輩であることくらい


だから考えていたんです

この想いの行く末を



そうしてやっと決まりました


私は先輩から

旅立ちます



好きという想いを捨てきれず

ここまでずるずる続けてきました


けれどきっと

先輩と後輩という関係が

一番幸せで自然なんです


これが一番だと気づいたんです



ハッと目が醒めるような気持ちで

少しスッキリしたけれど

少し寂しくもありました


でも心の中は温かいです


好きにさせてくれてありがとうございました

好きを教えてくれてありがとうございました


こんな大きい気持ちを

大切な気持ちを

持てると思っていなかったから


私はすごく幸せでした



だから私は前を向いて踏み出せます


先輩を好きだった私として

歩き出すことができます



先輩

先輩、

先輩。



「ずっとずっと大好きでした」



零れる涙は

明日への希望です



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