詩の箱

湾曲

憧れと恋心の違いってなんだろう

スマホの画面を見つめて

見極め術なんか知って

これは当てはまる

これは当てはまらない

当てはまらない数が多いから

憧れなんだ

なんて

あの人私に気があるな

私もあの人を好きになろう

私を好いてくれる人と付き合いたい

それが正解だよね

それが幸せだよね

なんて

広がるひずみ

重なる違和感

気づかなかったし

気づかないようにしていた

怖いから

知りたくないから

現実なんて

真実なんて

ちっぽけな私の心では

プライドばかり積み上がる私では

到底受け入れることはできないから

だけどさ

話したことをつぶさに覚えているのも

発した言葉一つ一つに悩んでしまうのも

毎日会いたい、独り占めしたいと思うのも

全部全部、貴方だけなんだ

気づいちゃったんだよ

知っちゃったんだよ

痛いくらいに思い知っちゃったんだよ

認めたら幾分すっきりして

けれど痛む胸は健在で

想えば想うほど

遠い心がわかるから

いっそ会わなければいいのかな

他の想いで塗りつぶしちゃえばいいのかな

想いは燻られて

茶色く濁って

これが一番マシな形かも

会いたいよ

一緒にいたいよ

私を見てよ

死んでも口に出せないや

これが本心なんだもん

ほんとのほんとに

大好きなんだよ