「可愛いね」

やめてナイフを刺さないで

そんな言葉は私には

ちっとも嬉しくないんだわ

幼い頃から染みついた

チビを象徴する物は

童顔表すその物は

貴方が刺したナイフなの

お願い気付いて頂戴な


好きでチビなわけじゃない

好きで童顔なわけない


自分の顔を作れたら

もっとマシになってたわ

こんな醜い童顔に

生まれたりなんかしなかった



引き裂きたい

壊したい

自分の顔を消し去りたい

無くしたい

潰したい

こんな大嫌いな顔なんて


だけど貴方のナイフがね

邪魔して何も出来ないの

もう動くことも出来ないの

痛くて辛くて抜きたくて

でもナイフは止まらない

それをナイフとも気付かない

みんなが笑顔でやって来る

次々私に刺してくる

顔には決して刺さないね


もし想い人が好きだって

その童顔が好きだって

言ってくれたらこの私

少しは変われたのかもしれないね

少しは変われたんだろね














ああでももうね遅いのよ

だって私がやっちゃった

みんなの代わりに自分でさ

鋭いナイフを突き立てた

この世で一番嫌いなね

私の私のこの顔に

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