チュートリアル (xxiii)
+プルス 属性: 無 状態: 不可侵
アルミラージと呼ばれる、長大な角を持つウサギ。
大柄な体格に反して動きは俊敏。気性が荒い。
画面の中央にグラウンドにいるモンスターの画像があり、その上部には「HP」との表記と横に長いゲージ、下部には前述の説明が記述してあった。
生徒は、教師への文句をひとまず中断して、提供された情報に注目した。
「このモンスターの名前はプルス。けれど重要なのは名前ではなく状態だ」
枡田の言う「状態」の項目は「不可侵」となっていた。ゲームに親しむ生徒は何人もいたが、ステータス変化にこのような名称を見たことのある者はいなかった。
「モンスターは出現時は『不可侵』の状態だ。このとき、ダメージはいっさい与えられない。こんなふうにっ」
枡田は通話をしながら器用に体をひねり、モンスター、プルスに斬りつけた。
景気のいい斬撃音とともに、みたび、怪物の巨体が土の上へ転がる。おおっ、という声があがった。しかし。
またしても灰色の獣は不屈の闘志をもって立ちあがった。
「見てのとおり、『不可侵』状態のモンスターは、いくら攻撃してもHPが減らず、何度でも向かってくる」
すでに3度の攻撃を受けながら、プルスのHPゲージは最大値を示していた。
「倒すには問題を解く必要がある。黒板を見るんだ」
ほとんどの生徒が、教室前面のそれに目をやった。
いつの間にか「プリムズゲーム」の文字の左隣に、なにか文字が書かれていた。
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