第1268話閏三月に、衛門督大伴古慈悲宿祢の家にて、入唐副使胡麻呂宿祢等を餞せし歌二首
閏三月に、衛門督大伴古慈悲宿祢の家にて、入唐副使胡麻呂宿祢等を餞せし歌二首
※天平勝宝二年(750)九月二十四日、藤原清河が遣唐大使、大伴胡麻呂が副使を拝命、翌々年の閏三月九日過ぎに、唐に向かって出発した。
以下の二首は、その大伴胡麻悲を大伴古慈悲で餞別した時の歌。
唐国に 行き足らはして 帰り来む ますら健男に 御酒奉る
(巻19-4262)
右の一首は、多冶比真人鷹主の副使胡麻呂宿祢を寿ぎしものなり。
※多冶比真人鷹主:天平勝宝九年、橘奈良麻呂の変に、大伴胡麻呂、大伴池主とともに加担し敗北、処刑された。
櫛も見じ 屋内も掃かじ 草枕 旅行く君を 斎ふと思ひて
(巻19-4263)
右の件の歌は、伝へ誦みしは、大伴宿祢村上、同清継等これなり。
唐の国に出向かれ、立派に大任を果たされ、無事に帰国なされる、強い貴方にお酒を差し上げます。
(右の一首は多冶比真人鷹主が副使胡麻呂宿祢に祝意を申し上げたものである)
櫛などは見ません、家の掃除もしません。はるか遠くへ旅するあなたを、身を慎んでお守りするために。
尚、この宴会に、大伴家持は不参加。理由は不明。
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