第1243話春まけて もの悲しさに さ夜ふけて
翻り翔ける鴫を見て作りし歌一首
※鴫:シギ。田や川べりに棲む渡り鳥。秋に北方から飛来し、春に飛び去る。
春まけて もの悲しさに さ夜ふけて 羽ぶき鳴く鴫 誰が田にか住む
(巻19-4141)
春が来たというのに、まだもの悲しい日々が続くというのに、夜が更けてから、鴫が羽ばたきをしながら鳴いている。
あの鴫はどこの田に棲んでいたのだろうか。
春が来たからといっても、いつも楽しい日ばかりではない。
憂鬱な日もある。
そんな日の夜更けに、馴染んでいた鴫が、遠く北に、飛び去ろうと羽ばたきをしながら鳴いている。
誰の、どこの田かわからないけれど、留めようとしても、飛び去って行くことは、わかっているけれど。
様々な解釈はあるけれど、鴫との別れの寂しさを詠む歌とした。
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