第1186話十六年四月五日、独り平城の故宅に居りて作りし歌六首(6)

かきつばた 衣に摺り付け ますらをの 着襲ひ狩りする 月は来にけり

                         (巻17-3921)

※かきつばた衣に摺り付け:かきつばたの花は染料。濃紫の色を衣に摺り付ける。

※着襲ひ狩りする:衣を重ね着して、薬狩りをする。

※月は来にけり:薬狩りは4月。(華やかな、宮廷の伝統行事)


かきつばたの花を衣に摺り付け、男たちが着飾り薬狩りをする月が来た。


大伴家持は、古都平城京で居残り(留守番)。新都久邇京に移った面々は、着飾って宮廷の伝統行事に参加する。

家持としては、やはり寂しいのである。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る