第1085話筑紫に廻り来り、海路より京に入らむとして、播磨国の家島に到りし時に作りし歌五首から

ぬばたまの 夜明かしも船は 漕ぎ行かな 御津の浜松 待ち恋ひぬらむ

                           (巻15-3721)

大伴の 御津の泊りに 船泊てて 龍田の山を いつか越え行かむ

                           (巻15-3722)


夜が明けてしまおうと、船は漕ぎ続けて行きましょう、御津の浜松が、我々のことを待ち焦がれているでしょうから。

※御津の浜松:陸路奈良への起点。


大伴の御津の港に船を泊てて、龍田山は、何時頃に越えて行けるのでしょうか。


長い遣新羅使の旅も、これで終わり。

決して満足できる仕事ではなかった(新羅では、完全に無視され、追い返された)けれど、そんなことより、家族の、愛しい妻の待つ都に、家に帰りたい、少しでも早く帰りたい気持ちに満ちている。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る