第1026話大君の 命かしこみ 愛し妹が

大君の 命かしこみ 愛し妹が 手枕離れ 夜立ち来のかも

                     (巻14-3480)


大君からの命令を恐れかしこみ、愛しい妻の手枕を離れ、真夜中に家を出て来てしまった。


おそらく、地方から都に、防人や衛士の課役を果たすために、出立した男の歌。

実際は、真夜中に出立することはないけれど、かなり暗い時間帯での出発だったのかもしれない。

愛しい妻から離れたくない男の苦しみが、まだ暗い夜の闇を、より暗くした。

「何故、無理やりに、そんな遠くまで」自分がその立場になれば、わかりやすい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る