第991話ま愛しみ さ寝に我は行く 鎌倉の

ま愛しみ さ寝に我は行く 鎌倉の 水無瀬川に 潮満つなむか

                       (巻14-3366)

※水無瀬川:鎌倉市御輿ヶ岳に発し、由比ガ浜で相模湾にそそぐ稲瀬川の古称。


愛しくて仕方がないので、私は共寝をしに出掛けて行く。

鎌倉の水無瀬川には、潮が満ちてしまっただろうか。



男は、川を越えなくては女の家に行けない、よその村の人間。

「水無瀬川に潮が満つる」は、それに対する妨害行為。

女の村の男たちが、「俺たちの村の女に手を出すな」と、妨害をしてくるのかもしれない。

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