第814話解き衣の 恋ひ乱れつつ 浮き砂

解き衣の 恋ひ乱れつつ 浮き砂 生きても我は あり渡るかも

                      (巻11-2504)

※浮き砂:水面に浮かぶ細かな砂。


脱ぎ捨てた衣のように恋しさに乱れながら、水面に浮かぶ細かな砂のように漂いながら、私は日々過ごしているのです。


おそらく女性が詠んだ歌。

「解き衣」「恋ひ乱れ」「浮き砂」などから、艶やかさを感じる。

おそらく、男の夜離れで、心も身体も、諦めきれないのだろうか。

やはり、古代、ただ待つしかないだけの女は、辛い。


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