第791話岩根踏む 重なる山は あらねども
岩根踏む 重なる山は あらねども 逢はぬ日まねみ 恋ひわたるかも
(巻11-2422)
ゴツゴツとした岩を踏み越え続けるような山は無いけれど、逢えない日が多いので、恋い続けるだけなのです。
近い距離で、本当ならすぐに行って逢えるはず。
しかし、何らかの差し障りがあって、それが叶わない、
人間の生活は、大きな差し障りだけではなく、細々とした雑事に振り回されることもある、そんな状態を詫びた歌だろうか。
尚、伊勢物語第74段に
岩ねふみ 重なる山に あらねども 逢はぬ日おほく 恋ひわたるかな
として、継承されている。
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