第747話ある人の あな心なと 思ふらむ

ある人の あな心なと 思ふらむ 秋の夜長を 寝覚め伏すのみ

                      (巻10-2302)


他の人から見れば、なんと面白くないこと、と思うことでしょう。

この風情あふれる秋の長い夜を、ただ眠り伏しているだけなのですから。


どれほど風情あふれる秋の長い夜であっても、共に過ごす相手はいない。

待っていても来る気配が何もない。

そんな事情があるので、他の人から面白くないと思われようと、眠り伏すしかない。


独り寝の嘆きと捉えるか、あるいは開き直りと捉えるか、様々あると思う。


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