第728話泊瀬風 かく吹く宵は 何時までか
泊瀬風 かく吹く宵は 何時までか 衣片敷き 我がひとり寝む
(巻10-2261)
※泊瀬風:「泊瀬」は現在の奈良県桜井市初瀬、その泊瀬から吹く風。あるいは泊瀬の地域を吹く風。地名を冠した風として万葉集には「明日香風」「佐保風」がある。
※衣片敷き:共寝の相手がなく、自分の衣だけを敷く。独り寝を意味する。
泊瀬の地を吹く風が、これほどまでに恐ろしい宵なのに、私は何時まで独りで寝ることになるのでしょうか。
女性が詠んだ歌と解釈した。
現代のしっかりとした造りの家であっても、強風の夜、特に独り寝は、家が揺れれば恐ろしい。
古代の家になると照明も暗く、冷たい風も吹きこんで来たことも想定できる。
家の揺れも、現代の家とは比較にならないほど揺れたはず。
とにかく不安なので、一刻も早く男性に帰ってきてもらって、共寝をしたい。
そんな切実さが、この歌には込められている。
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