第616話朝ゐでに 来鳴くかほ鳥 汝だにも
朝ゐでに 来鳴くかほ鳥 汝だにも 君に恋ふれや 時終へず鳴く
(巻10-1823)
※朝ゐで:水汲み場(井)として、川の流れを堰き止めた場所。
※かほ鳥:未確定。郭公説が有力。
朝の井に飛んで来て鳴いているかほ鳥さん、あなたも私の彼に恋心があって、いつまでも鳴き続けているの?
いろいろな想像ができるけれど、朝帰りしてしまった彼氏を思いながら、水汲み場に来ると、かほ鳥が鳴き続ている。
詠み手は、その止まない鳴き声を、かほ鳥も自分の彼氏に恋心があるからなの?と問いかける。
まさか、詠み手は、かほ鳥を恋敵とは思ってはいないだろうけれど、当のかほ鳥にしても、そんなことを問われても、何のことやらと思うだろう。
あまり難しく考えずに、女性が朝帰りの彼を見送った後の寂しさを、かほ鳥に問いかけた、可愛らしい歌と理解したい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます