第517話山上臣憶良の七夕の歌(2)

ひさかたの 天の川瀬に 船浮けて 今夜か君が 我がり来まさむ

                         (巻8-1519)

右は神亀元年七月七日の夜、左大臣の宅にしてのものなり。

※神亀元年:724年。

※左大臣の宅:長屋王の邸宅。


天の川の渡り瀬に船を浮かべ、今夜こそ愛しい君が、私のもとにいらしてくれるのでしょうか。


織姫の立場で、牽牛が本当に来てくれるのか、と不安な気持ちを歌う。

長く待ち続けてきた、一年に一度の逢瀬。

約束とはいえ、それが実現するまでは、心細い。


遠距離恋愛をする人なら、誰でも感じる不安になる。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る