第493話我がやどに 蒔きしなでしこ

大伴宿祢家持の、坂上の家の大嬢に贈りし歌一首


我がやどに 蒔きしなでしこ いつしかも 花に咲きなむ なそへつつ見む

                            (巻8-1448)


私の家の宿に蒔いたなでしこは、いつになれば花が咲くのでしょうか。

咲いたなら、いつでも貴女と思い、愛でようと思うのですが。


坂上の家の大嬢は、やがて大伴宿祢家持の妻となる女性。

この歌を贈った当時は、家持が15歳、大嬢が10歳ぐらいと言われている。

まだまだ結婚には、ほど遠いけれど、なでしこのように美しく成長するのを待ち望む。


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