第449話河に寄せき(2)
広瀬川 袖漬くばかり 浅きをや 心深めて 我が思へるらむ
(巻7-1381)
※広瀬川:奈良県北葛城郡河合町付近の曽我川。
袖も漬かってしまうほどの広瀬川なのに、どうして私は心を深くして想うのだろうか。
「広瀬川 袖漬くばかり 浅き」は、薄情な男の譬え。
当時の袖は、膝より下。
徒歩で渡ることができて、その川を渡る際に、袖まで水に漬かるのだから、相当に浅い川。
薄情な男に、どうして心をひかれてしまったのかと嘆く女性の
歌と思われる。
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