第437話鳥に寄せき

明日香川 七瀬の淀に 棲む鳥も 心あれこそ 波立てざらめ

                      (巻7-1366)

※七瀬の淀:数多い瀬ごとにできた淀み


明日香川の数多い瀬に棲む鳥も、深い心があるからこそ、波風を立てるようなことをしないのに。


鳥であっても大騒ぎをしないのに、人間はとかく噂好きで喧しく情けないとの意味と思う。


とかく人は、噂好き。

少し見掛けただけでも、噂だけは、どんどん膨らんでしまう。

それなら、明日香川のあちこちの淀みにいる鳥のほうが、よほど思いやりが深くて、波風を立てず好ましい。


明日香川付近で行われた宴会での歌かもしれない。

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