死の底から掴むキセキ-異世界で手に入れたのは1枚のチートカードでした-

作者 初雪あろん

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★★★ Excellent!!!

「オリジナルゲームシステム」を、異世界ファンタジー小説に持ち込んで、登場人物たちがそのゲームに命を懸ける。
 この作品「ノーライフキング」は、ヘックス型のシミュレーションRPGなどの要素を取り入れたカードゲームそのものが、「個人の尊厳、誇りを賭けた魔術文化」となっている、異世界ファンタジーだ。
 では、そんな世界で、我らが主人公は俺TUEEEEEEをして、カードゲームをチート&無双するのか?

 カードゲームは、そんなチートを許しはしない。
 ゲームの質が落ちるからだ。

 主人公よりも、ヒロインよりも、敵役(これが魅力的なんです)よりも、カードゲームのシステムの方が上。カードが裁きを告げたら、そいつは「奪われる」。それが、この世界の理。
 それでも、キャラたちは、カードに命を賭けたがる。誇りを託す。
 何より、主人公自身が、己の屈託をカードに注ぎ込む。愛しているんだ、カードゲームを。
 未だ暗きカードゲーム・ワナビー。
 されど見果てぬ夢のデュエリスト。

 デュエリストたちは、みな平等。
 年齢もなく、性別もなく、階級もなく、出自もなく。
 カードゲームで勝ったか負けたか。
 己の頭脳を最大限に駆使し、必要なところで勇気を振り絞ったか。
 あとは運のみが残る……それでも、デュエルの神は、そいつの全てを見ている。
 ヒリヒリする焼け付くような精神の努力も、勝利に対する飢えも、あの日の約束も、あの日見た風景も!少女と交わした約束も!

 さあ、カードをめくりたまえ。そして宣誓せよ。
 勝てなかった奴が今回も負けると、誰が決めた?