って思うくらいの読みごたえがあります。誰もが知ってる(と思う)お伽噺がまさかのコラボ!というか、説得力がありすぎて、もしかして本当にこんな話だったのでは……?と思えてしまうくらい。どうなるの?どうなるの?一体犯人は誰なの?とページをめくる(タップする)手が止まりません!おすすめです!
まったりとした昔話感もそのままに、不思議にミステリーへと昇華。刑事さんたちも賢いのかマヌケなのか、いかにも昔話に出てくるすっとぼけキャラを再現した感じで微笑ましい。思いがけない事件の真相と、「チャンチャン♬」で終わっちゃうようなラストがほっこり。
御伽噺って如何様にもアレンジできる素材なんだ、と言う好例です。この作品の雰囲気って…と思案してたら、auのCMを思い出しました。あんな感じです。御伽警察のキーワードで次々と続編が上梓(?)されそう。次回は、浦島太郎の亀と、日本神話に登場する因幡の白兎で物語を紡いでくれないかなぁ。イソップの競争物とは別の趣向で。星の数は、短編にはMAX2つが信条だからです。
悪を悪として捉えず、それどころか人を人としても描かず、もっと言えば世界の常識を斜に構えて鼻息で飛ばすくらいの姿勢で書かれているのが最大のポイントであり魅力。軽いタッチで書かれてはいるけども、奥に潜む筆者の思想が随所に現れていて思わずツバを飲み込む場面も。読めば狸の見方が変わる物語。