耳を塞いで仕舞え

耳を塞いで仕舞え

イタミが身を這って朽ちてゆく


そぅと延べられた赤い番傘に

ふたり

もうしとどに濡れて射る


君の眸 僕の唇


滲んでゆく彩は輪郭を亡くし

夜明けのランプを一齧り

すると

蜘蛛の粉散らしたよう

朝露で揺れた光は斯くも見事に

煌めいてはくっ付いて離れない


心模様は気分屋で

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