田舎暮らしもとうにすぎる、と
田舎暮らしもとうにすぎる、と
夏の日の夕暮れ
汗ばんだ空色のサイダー
磨硝子の淡い彩ふたつ
艶に匂い経つ彩の奏
風鈴はよう鳴き絞まる堕花火
溶け柄の長い銀糸の匙に
泡沫は張り付いて いく
幾度も紙風船は弄ばれ
こどもみたいだ、と くすくす
虎猫は後面を一瞥して
てふてふと戯れる日々である
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