第148話 【すがれる】

底に哭いた雫は 傷んだ外皮にまるで

呪いの様に咲き 赤黒く纏い覆われる

その花弁は 私を静かに散らすだろう



燦然と我の虹彩を奪い 深緋は堕つる

病巣はひととき爛れ 剥がされて終う


なあ 皆知っている 優しい子であった

陽も月も私を照らし続け 滔々残った

この花花も 嗄れ朽ち涼音すら忘れて

既に土の一部 私を包み連れておくれ


ひとときの辛抱です とこしえに続く

円環のかぜのねの通りに運ばれる季節

末枯れる

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