ドア

作者 佑佳

さあ、蘇芳と一緒にドアの向こう側へ

  • ★★★ Excellent!!!

ドア。このタイトルに込められた意味は深い。
私達は毎日ドアを潜る。家を出る時、電車に乗る時、職場に着いた時、コンビニに入る時。
無意識のうちに何度も何度も潜るドア、こちら側と向こう側。連続性と不連続性。ドアというのは、あちら側にゆく為の唯一の装置なのかも知れない。

さて、物語は現代に生きる青年"蘇芳"と、ドアの向こうからやってきた"夜さま"と"くぅ"の三人が様々な時代、様々な世界を旅する大長編となっている。
それぞれの世界でそこに生きる人々、その意志に触れ、蘇芳は自らの記憶と共に成長してゆく。そしてまた新たなドアを潜るのだ。

敢えて深さと表現するが、この物語の深さは三十万文字を超えるその文字数だけではない。
丁寧で美しく書き込まれた描写は、読む者が初めて訪れる世界を生き生きと、そしてリアルを伴って目の前に出現させ、また蘇芳をはじめとするキャラクター達はその想いの全てを読者と共有する事となる。
つまり一度読み始めると、物語世界にどっぷりと浸かってしまうのだ。
深く、ドアを一つ潜る度にどこまでも深く。

もしも今あなたがこのレビューを見ているなら、またこのドアという作品の前に立っているなら、それは紛れもなく物語に入る為の最初のドアだ。
そのドアを開け、蘇芳、夜さま、くぅと共に物語の世界へ旅立とうではないか!

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