ドア

作者 佑佳

97

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★★★ Excellent!!!

普段わたしたちが忘れてしまいがちな、大切であたたかいものがこの作品には詰まっています。

誰かを大切に想う気持ち。誰かを愛おしく想う気持ち。思いは人から人へと時空を超えて受け継がれていきます。

さあ、この「ドア」を今すぐ開き、すぅちゃん達と共に優しさあふれる旅に出ましょう。

★★★ Excellent!!!

構想より十年以上の歳月を経て完成されたという大長編。間違いなく作者の魂が乗った一作です。

読みやすく、描写の秀逸な文章。
これにより、一話一話はスッと読めてしまうので、是非一日一話ずつでも読んでみるのをオススメします。

最初読者は、目覚めたときの主人公と同じく、なにがなにやらという状況です。しかし、一話、また一話と物語のドアを通って行く度に、散りばめられたピースが寄り集まり、いつしか、全体像を俯瞰できるようになってきます。

そこまで来たら、きっと多くの方々は「 みんな、はやく幸せになってくれぇえ!」と願って、読むペースもはやくなっていくはず。

皆様も、まずは一日一話からのドアチャレンジをしてみては?

作者様の登場人物に対する愛も含めて、読み終えた後にはきっと、心の中に温かい「想い」が残ることでしょう🐸

★★★ Excellent!!!

誰かを、ずっと前から捜している気がする──。

ふと、こんな思いを抱いたことはないでしょうか。本作の一貫したテーマは、まさしくこの一言に尽きると言っても過言ではないでしょう。

高校生・蘇芳と少女のくぅ、そして黒猫の夜さま。2人と1匹の「ドア」から始まり「ドア」へと繋がれていくストーリー。一見バラバラに見える彼ら個々の「事情」が、全てがやがて一つの壮大な「絆」に集約されていく様は実に圧巻であり見事でした。

一口に、タイムトラベル物、と言ってしまうのはあまりに勿体ない。ミステリー的な要素もあります。ああ、ここでこう繋がってくるのか!という驚きと発見があり、何度も繰返し読み返したい気持ちにさせます。もちろん恋愛要素もアリ。初々しくもあり、清々しくもあり、また、悲しくもある。それが筆者の優しくも儚い文体で色鮮やかに描かれていて、次第に物語の世界へと読み手まで誘っていく。彼らと共に旅をしている気分になっていくのです。

あなたは、あなたの大事な人のそばにいますか?

「ドア」を開ける前にもう一度振り返って、誰かを大切に思う気持ちを思い出す、そんな素敵な作品でした。

★★★ Excellent!!!

大冒険です。
主人公は知らぬ間に、知らない空間に立っています。
誰かをずっと前から探している気がする、と朧気な記憶を持って。
出会うのは喋る黒猫に可愛らしい女の子。
聞けばどうやら、「誰かを探している」のは自分だけではないらしく。

タイトル通り『ドア』を開ける度に色んな世界が広がっています。そこに居る人々の暮らし、思いなど本当に様々で、主人公達のリアクションも表現豊か。まるで一緒に旅をしているような気になります。
だからこそ、皆が幸せになって欲しい。心からそう思えるような思い入れができてきます。

作者様もとても楽しい方で、作品やキャラクターに対する愛情が溢れています。そのまま文章や作品全体の雰囲気に表れていて、最後のおまけなんかほっこりにやにやしてしまいますね。

悩みながらも、進むしかない。助け合いながら、それぞれの帰る場所へ。待つ人の元へ。

繋がっていると信じて、『ドア』を開けてみましょう。

★★★ Excellent!!!

単純そうに見えて、その実、繊細な高校生。
人語で話し、何かあれこれと訳知り風な黒猫。
なんとも可愛らしいけれど謎めいたロリっ子。

三人は、それぞれが『何か』を探しています。その『何か』を求めて、不思議な『ドア』をくぐり、時の流れも国も飛び越えて旅をします。

扉の向こうで、数々の出会いを経て、彼らは成長しながら旅を続けて行きます。

ただのファンタジーではありません。
人と出会い、人に愛され愛して、何かを得て与える物語です。その心の変化を幾つも旅を重ねて丁寧に描き出す、優しくて温かい物語です。

それでいて、謎解きのように複雑に張り巡らされた伏線の数々。そのひとつひとつが解けるたびに心を打たれ、私は何度泣いたかしれません。

どうか、ともに旅をしてください。旅の果て、大切な人の手をしっかりと握っていたくなる、そんな良作です。

★★★ Excellent!!!

 普通の男子高校生——蘇芳が一匹の黒猫を助けるとまさかまさかの時空の狭間へと飛ばされてしまう!元の時代に戻るには『ドア』という時間移動装置をいくつも潜らなければならない!
 そんなハプニングから始まるタイムスリップアドベンチャー。これは面白い。
 わけもわからず時間旅行をする蘇芳ですが、旅で多くの人に出会って彼は別の想いを抱くように変化していきます。
 はてさて彼は無事に自分の時代へ帰り、捜し人に出会えるのでしょうか?

 重大な事件や事柄は早い段階から断片的に語られるのですが、読み進めるたびに謎が解かれていきます。そんなシナリオ構成となっており、全てが明らかになった時「これはこういうことだったのか!」と伏線の回収に驚嘆させられることになるでしょう。
 また重要な要素やシーンは繰り返し繰り返し同じように描写する手法が使われています。謎が明らかになるたびに事件やことの発端を振り返り、よりクリアな光景を読者に見せて理解深める。あえて同じ言葉を使うのが謎のアンロックと相まって見事です。
 そういった丁寧の物語の作りによってタイムスリップもの特有の複雑さはなく、スッと腑に落ちて読みやすい。

「こういうジャンルに興味はあったけど小難しそう」

 そんなあなたに手に取っていただきたい一作です。
 大丈夫。この物語に記されているのは人の想いが巡り巡って未来を作っていく……そんな人間ドラマですから。

★★★ Excellent!!!

高校生の蘇芳は、目覚めると真っ暗な空間の中にいた。
そこで出会ったのは、人の言葉を喋る黒猫「夜さま」と、自分を子供じゃないと言い張る幼い少女「くぅ」。
なし崩し的に二人の「探し物」を一緒に探す事になった蘇芳は、現れた「ドア」を潜り、時空を越えた旅に出る――。

とにかく全てにおいて無駄な部分が全くなく、キッチリと練り込まれています。細かい伏線が丁寧に回収されていくので、一度読んだ後もう一度見返してみたくなる事受け合い。
その分全体的に少し短いな……と感じてしまったりしますが、それだけ物語が魅力的なのだという事なのでしょう。

ぶっきらぼうなところや若さゆえの短慮さはありつつも、困った人は見過ごせない優しさと男気に溢れた少年蘇芳。
普段はおしゃまな見た目相応の振る舞いをするが、時々妙に大人びた様子を見せる不思議な少女くぅ。
そして普段は冷静沈着、しかしその内に誰よりも重たいものを背負う夜さま。

この三人を取り巻く、各時代でキーとなる人物達もそれぞれが個性に溢れており、「皆幸せになれ!」と最後には思う事でしょう。と言うか思った。


あなたも三人と共に、不思議な旅に出てみませんか?

★★★ Excellent!!!

本当に本当に、壮大なストーリー。そして心揺さぶられる展開とキャラクターたち。長さのあるお話です。なかなか一気読みは出来ないかもしれません。それでも、先が気になって仕方ない。もう一ページもう一ページとスクロールする指が止まりませんでした。
どうしてこんなお話を紡ぐことが出来るのだろう? どうしてこんなに心揺さぶるお話が書けるのだろう?
最後の方ではそんなことを感じながら、泣きながら読み進めていました。最後までちゃんと見届けたいのに、終わってほしくない。みんなと別れたくないなとまで。それはきっと、いつの間にかわたしもみんなと一緒に旅をしていたからなのかもしれません。

人間って、魂そのものって、きっとどんな姿になってもどれだけ年を重ねても、やっぱり同じなんだと思う。

すぅちゃんはどこでもいつでも「すぅちゃん」のままだったし、くぅも「くぅ」のままで、夜さまも「夜さま」のままだった。姿形が表わすものなんて、きっとそのひとの一面でしかないんだろうな。

今の自分、今そばにいてくれる大切な人を、大事にしたいと思える素敵なお話。心を揺さぶられたい人は、絶対に最後まで読んでほしい。

★★★ Excellent!!!

ドア。このタイトルに込められた意味は深い。
私達は毎日ドアを潜る。家を出る時、電車に乗る時、職場に着いた時、コンビニに入る時。
無意識のうちに何度も何度も潜るドア、こちら側と向こう側。連続性と不連続性。ドアというのは、あちら側にゆく為の唯一の装置なのかも知れない。

さて、物語は現代に生きる青年"蘇芳"と、ドアの向こうからやってきた"夜さま"と"くぅ"の三人が様々な時代、様々な世界を旅する大長編となっている。
それぞれの世界でそこに生きる人々、その意志に触れ、蘇芳は自らの記憶と共に成長してゆく。そしてまた新たなドアを潜るのだ。

敢えて深さと表現するが、この物語の深さは三十万文字を超えるその文字数だけではない。
丁寧で美しく書き込まれた描写は、読む者が初めて訪れる世界を生き生きと、そしてリアルを伴って目の前に出現させ、また蘇芳をはじめとするキャラクター達はその想いの全てを読者と共有する事となる。
つまり一度読み始めると、物語世界にどっぷりと浸かってしまうのだ。
深く、ドアを一つ潜る度にどこまでも深く。

もしも今あなたがこのレビューを見ているなら、またこのドアという作品の前に立っているなら、それは紛れもなく物語に入る為の最初のドアだ。
そのドアを開け、蘇芳、夜さま、くぅと共に物語の世界へ旅立とうではないか!

★★★ Excellent!!!

長い時間をかけてゆっくりと読ませていただきました。70話からなる作品なので大長編と言っても過言ではないでしょう。

日々の生活と共に読み進めていくうちに、彼らと笑い彼らと泣き、すっかり4人目の旅の同行者になっていました。

全てを読了し終えた今、少しの喪失感と大きな満足感を感じています。とても優れた物語でした。

もしも新しい読者の方が、70話という数字を前に読むべきか迷っているのなら、是非毎日少しずつでもいいから読んでみることをお勧めしたいです。全てを読み終えたあと、今の私と同じ気持ちになることを請け合います。

★★★ Excellent!!!

第二部にあたる「セピア」まで読了してでのレビューです。

主な登場人物は以下三名:

主人公、やや脳筋かと思いきや、めっちゃ繊細。
夜さま、ぬこ。
くぅちゃん、ロリ。

の三名で展開。「セピア」の後どうなるかはまだ楽しみにとっておきます。

物語は基本的に、↑で書いたようなキャラクターが動き回るのですが、それぞれの心の機微の部分が手にとるように分かります。これは筆力というやつの賜物でしょう。回想等によるシーンの切れ目は多いのですが、ごく自然に入ってきます。不思議!

また、ストーリーライン(バックボーン)がとても遠大かつ緻密に作られています。それは最初のエピソード「撫子」を読んだだけで分かりました。巨大な構造体の中にいくつもの円環が動いていて、主人公たちはそれを渡り歩きながら大切なものと出会い、失ったものを取り戻していく。「セピア」時点では主人公が主人公でなければならなかった本当の理由はまだ見えません。ですが、今後の章で必ず明かされていくと見ています。

ここまで長射程の伏線を張った作品は、昨今あまり見ない気がします。改稿を重ねただけあって、相当に磨き抜かれた逸品であると言ってもいいでしょう。

★★★ Excellent!!!

1日で一気に読み進めました。
初めは、少年と少女、そして不思議な猫の二人と一匹(?)が、様々な時代と世界を巡るタイムトラベル的なストーリーと言った感じです。が、物語はそれに留まらす、それぞれが誰を探し、求めているのか、そして世代を越えて繋がる絆や運命……、見事でした!
最後で全て明らかになり、改めて三人との関わりを見た時、ここまでの冒険を思い返して感動です。

★★★ Excellent!!!

高校生の蘇芳、幼いけれどどこか大人びた空気もあるくぅ、そして黒猫のよる様。
二人と一匹は様々な世界をめぐり、たくさんの出会いと別れを繰り返していく。その先で、彼らが掴む未来とは……?

登場するキャラクターが、とにかく魅力的。世界観も時代も大きく異なるのですが、彼らの思いに涙し、彼らの悩みにハラハラし…と本当に幸せな読書体験をさせていただきました。
また、本作は後半からの流れも必見。物語前半で積み重ねてきたものがあるからこそ、後半の蘇芳くんたちの成長が心に染みます。

不思議な扉をくぐって旅をする優しいファンタジー。
少しずつ寒くなってきた今日このごろ。是非読んでみて暖かい気持ちになってください…!

★★★ Excellent!!!

時代を超えて、繋げる不思議な「ドア」。

ひとたび潜れば、そこは全くしらない時代です。
でも、どこか懐かしいような、知っている誰かがいるかのような、そんな気持ちになる。

このお話では、主人公たちがみな探し物をしています。
時代を超えても、危険を侵してでも会いたい人がいます。
そんな彼らを見ていると、応援せざるを得ません。

物語の展開、キャラクターの個性や関係性、そして、それらを物語の雰囲気に合わせた巧みな描写力のおかげで、私はすっかり彼らの旅の一員になれていた気がします。

だからこそ完結が寂しい、、、。
一緒に旅が終わってしまった気がして。

ですが、きっと彼らは前を向いて、しっかり歩いているはず!
私も見習ってがんばりたい。

完結おめでとうございます。
素敵なお話をありがとうございました。


にぎた

★★★ Excellent!!!

不思議な「ドア」を使って、様々な時代と国を旅する、地球を舞台にしたファンタジーです。
ドアによってたどり着いた時代(国)で、主人公の少年・蘇芳、幼女くぅ、猫の夜さまの「三者」は、「探しもの」をしていきます。

最初は過去への旅から始まるのですが、次は全く違う時代に。
時代小説、異世界ファンタジー、現代ファンタジー。これらすべての要素が合わさったようなお話です。

ドアの秘密も段々と明らかになっていきます。
そして、旅の終わりに何が起こるのか。見えるのか。気になって仕方がありません。

★★★ Excellent!!!

本作は、一定の目的(時代と場所を変え、最後にスタート地点に戻る)が与えられているものの、全体的にわからないことばかりです。

謎と言い換えてよいでしょう。
なぜ時代と場所を変えないといけないのか。それはどのような理屈によるものか。同行者の『夜さま』と『くぅ』は何者か。なんの宿命を背負っているのか。そして主人公の蘇芳は……。

謎と謎が握手をして、物語を五つ星のように紡ぎます。読者はその中心に立って、繋がれる対角線を臨むばかり。そこには、謎に巻き込まれる快楽、というものがあります。この謎の連鎖、本作はとてもうまい。

そしてもう一つの見所は蘇芳くんの『熱さ』です。
それぞれの時代に存在する停滞を彼は薙ぎ払えるか。
熱い言葉、そして行動に注目しながらお楽しみください。

★★★ Excellent!!!

違う時代、異なる場所へと人を誘う、不思議な『ドア』をめぐる、冒険ファンタジー。
お人好しで熱血な高校生、蘇芳と、魔法を操る不思議な黒猫、夜さま、ひと懐っこくてマイペースな少女、くぅ。一見すれば共通点のない三にんは、ドアの向こうにある『狭間』で出会い、一緒に世界を巡ることになります。

それぞれが求める「捜しもの」とは何なのか。
三にんをつなぐのはどんな縁なのか。
そもそも『ドア』とは何なのか。
違う時代で出会う人々や、挿入される「夢」を通して、それらが少しずつ紐解かれてゆきます。

事故のような出会いから道行きをともにする三にんですが、少しずつ歩み寄り、心を通わせていく過程も丁寧に描かれており、それぞれの優しさや強さに心が温かくなることも。
物語はまだ連載中で、今後どのように展開するかとても楽しみです。
異世界めぐりや時代めぐりといった不思議要素や、縁につながれた運命的出会いがお好きな方はぜひ、読んでみてください。

★★ Very Good!!

「ちょっと不思議で、ほんのり優しいファンタジー」

 この小説を一目見た瞬間に私はそう感じた。

 喋る猫と子猫、時代を巡る『ドア』、そんな不思議なものたちと出会った一人の少年「蘇芳」。

 この小説の良い点の一つは、そんな少年「蘇芳」の見せる心の動きであると思う。この蘇芳、一見言動からは粗暴に見えるが、彼の心情と行動からどうやら根は優しい少年なのだと気付かされる。そこが何とも愛い奴と見ていて微笑ましい。

 また、異世界ファンタジーというわけでもなく、この現実世界の過去の時代を巡る現代ファンタジーとして、その時代特有の描き方を取り入れているのも面白い。時代が変わり、国が変わり、人が変われば一体作者はどう描き方を変えていくのか、そして蘇芳の心はどう変化していくのかが楽しみである。

 最後に、これから続くであろう猫と子猫と少年の様々な時代を巡る旅の無事を祈りつつも、その旅のどこかにいる「誰か」と出会った時の少年の葛藤と決断に期待しております。