ドア

作者 佑佳

27

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★★★ Excellent!!!

不思議な「ドア」を使って、様々な時代と国を旅する、地球を舞台にしたファンタジーです。
ドアによってたどり着いた時代(国)で、主人公の少年・蘇芳、幼女くぅ、猫の夜さまの「三者」は、「探しもの」をしていきます。

最初は過去への旅から始まるのですが、次は全く違う時代に。
時代小説、異世界ファンタジー、現代ファンタジー。これらすべての要素が合わさったようなお話です。

ドアの秘密も段々と明らかになっていきます。
そして、旅の終わりに何が起こるのか。見えるのか。気になって仕方がありません。

★★★ Excellent!!!

本作は、一定の目的(時代と場所を変え、最後にスタート地点に戻る)が与えられているものの、全体的にわからないことばかりです。

謎と言い換えてよいでしょう。
なぜ時代と場所を変えないといけないのか。それはどのような理屈によるものか。同行者の『夜さま』と『くぅ』は何者か。なんの宿命を背負っているのか。そして主人公の蘇芳は……。

謎と謎が握手をして、物語を五つ星のように紡ぎます。読者はその中心に立って、繋がれる対角線を臨むばかり。そこには、謎に巻き込まれる快楽、というものがあります。この謎の連鎖、本作はとてもうまい。

そしてもう一つの見所は蘇芳くんの『熱さ』です。
それぞれの時代に存在する停滞を彼は薙ぎ払えるか。
熱い言葉、そして行動に注目しながらお楽しみください。

★★★ Excellent!!!

違う時代、異なる場所へと人を誘う、不思議な『ドア』をめぐる、冒険ファンタジー。
お人好しで熱血な高校生、蘇芳と、魔法を操る不思議な黒猫、夜さま、ひと懐っこくてマイペースな少女、くぅ。一見すれば共通点のない三にんは、ドアの向こうにある『狭間』で出会い、一緒に世界を巡ることになります。

それぞれが求める「捜しもの」とは何なのか。
三にんをつなぐのはどんな縁なのか。
そもそも『ドア』とは何なのか。
違う時代で出会う人々や、挿入される「夢」を通して、それらが少しずつ紐解かれてゆきます。

事故のような出会いから道行きをともにする三にんですが、少しずつ歩み寄り、心を通わせていく過程も丁寧に描かれており、それぞれの優しさや強さに心が温かくなることも。
物語はまだ連載中で、今後どのように展開するかとても楽しみです。
異世界めぐりや時代めぐりといった不思議要素や、縁につながれた運命的出会いがお好きな方はぜひ、読んでみてください。

★★ Very Good!!

「ちょっと不思議で、ほんのり優しいファンタジー」

 この小説を一目見た瞬間に私はそう感じた。

 喋る猫と子猫、時代を巡る『ドア』、そんな不思議なものたちと出会った一人の少年「蘇芳」。

 この小説の良い点の一つは、そんな少年「蘇芳」の見せる心の動きであると思う。この蘇芳、一見言動からは粗暴に見えるが、彼の心情と行動からどうやら根は優しい少年なのだと気付かされる。そこが何とも愛い奴と見ていて微笑ましい。

 また、異世界ファンタジーというわけでもなく、この現実世界の過去の時代を巡る現代ファンタジーとして、その時代特有の描き方を取り入れているのも面白い。時代が変わり、国が変わり、人が変われば一体作者はどう描き方を変えていくのか、そして蘇芳の心はどう変化していくのかが楽しみである。

 最後に、これから続くであろう猫と子猫と少年の様々な時代を巡る旅の無事を祈りつつも、その旅のどこかにいる「誰か」と出会った時の少年の葛藤と決断に期待しております。