隣の芝生は青く見える

@Kurooota

第1話 隣の芝生は青く見える

隣の芝生は青く見える




隣の芝生はどのくらい心地が良いのだろう






私も隣の芝生に











昨夜の豪雨で芝生はぐちゃぐちゃ


元に戻るには時間がかかりそうだ













ふと






自分の足元に目をやる


足が根のように地面に固定される感覚





藻掻く


足にしがみつく白く絡み合った手、足をしばりつける






..........離せ







さらに縛り付けられる






おいおい.....









手は動かず


足は固定されたまま









隣の家の窓に目をやる






.........!!!!!!!








明かりがない


そういえば





隣の家に人は住んでいただろうか









ぷー。







路地を抜けて、新聞配達が通り過ぎていく




まだ明け方なのだ






さて、





この縛られた足をどうしようか








新聞配達の男が、隣の家のベルを鳴らした



誰も玄関には出てこないだろう





男は諦めたようだ














私はただ芝生を見ていた




誰がその芝生を踏んでいたのかも知らず




ただ眺めていたのだ





隣の芝生は青く見える






新聞配達の男が私の方へやってきた




「書留です。受け取りお願いします!」


気前が良い。






私はゆっくりと封筒を開ける







-----少し遠くへ引っ越すことになりました-----






どうやら隣の芝生には持ち主がいたようだ













芝生の色や形 匂いは忘れることが出来ないのに




私は持ち主を知らなかった











「あの....」



背後からの声





「隣に新しく引っ越して参りました。〇〇です。」



可愛らしく愛嬌のある女だ。後ろに倒れてしまいそうなほど、たくさんの荷物を抱えている。




隣の家には新しい住人が住まうらしい










嗚呼、また隣の芝生を眺めることになるのだろうか






隣人は言った。


「昨夜の豪雨でここ一帯の芝生すごいことになってますよね。。。」







何が言いたいのか






「あの、荷物を家まで運ぶの手伝ってもらってもいいですか」





足をしばりつけられている私に投げかける言葉だろうか




と考えているうちに、女は私の足元に何かを撒き始めた。




ラベルを注視する。





除草剤!?





足を縛っていた手がみるみるうちにしおれていく





いくつかの手は私の足にくっついたままだが






女は言う。

「荷物、お願いできますか?」






女から渡された荷物は男の私でも案外重かった。





私は初めて隣人の家の芝生を踏んだ。






昨夜の豪雨のせいで歩きにくい






隣の芝生から見た私の芝生は案外青く見えた。




女は言う。

「私、この家から4軒手前にある家から引っ越してきたんです」






何故か微笑を浮かべながら、女は家の中に入っていった。















もしかして彼女も私と同じように



眺めていたのだろうか



私は荷物を抱え、ゆっくりと女の家に入っていく



見ていただきありがとうございました😬






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