戸惑い 5
夕食を済ませてサエをベットに誘ったが拒まれた。
「今日の記念すべき日にやりたくないわ」
その一言である。サエは子供を抱いてベットでミルクをやっている。
その時フロントから電話が入っていると知らせてきた。
「おめでとう。お父さんね」
カオルの声だ。
「替わろうか?」
「いえ、サエとはよく話をしているから。とうとう昨日私も任意で地検に呼ばれたわ。伊藤との係わりと頭取の係りを聞かれた。これは頭取とも話の筋を合わせていたわ。ここにはほとんど大きな嘘はないわ。頭取にも聞いているらしく頷いていた」
「第2課長の件は?」
「殺された彼は警察が調べているらしく検察は修司のことを盛んに聞いてたよ。銀行は無届欠勤で解雇になっている。どうも頭取と私の関係も知っているようだわ。これは伊藤がしゃべっていたらしいけど証拠はないわ。それよりあのマンションが調べられたよ」
「パソコンは?」
「3日前に全面改装して募集を始めた。もちろんこれはマネージャーに動いてもらった」
「伊藤は?」
「あれから会っていない。どちらにしても大阪の店に行くわ。今日はこれからお楽しみね?」
「それが母親になってしまったよ」
「へえ、子供ができると変わるんだ。今日は淋しくマスターベーションやねえ」
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