第8話 ライザ

 1


 次に立ち寄った村では、少し妙なことになってしまった。


 タリコゲの木の樹液が特産品である村で、村役が商人と結託して職人たちを無実の罪で陥れ、樹液を独占しようとしていたのだ。

 バルドは、身分は名乗らないまま、穏便な方法で職人たちの無実だけを証明するつもりだった。

 ところがシャンティリオンは、バルドに王印の短剣を乞い、こちらにおられるかたは、とやり始めてしまった。

 仕方がないのでなるべく禍根の少ない言い方で村役と商人を諭したが、大騒ぎになってしまった。

 口止めはしたが、間違いなく噂は広がるだろう。

 どうもシャンティリオンは、大将軍の威光で悪人を懲らしめる快感に目覚めてしまったようだ。


 バルドはシャンティリオンに、わしの名を吹聴するのはやめよ、と言った。

 シャンティリオンは、明るい声で分かりましたと返事したが、本当に分かっているか不安だ。

 こやつはこんな性格じゃったかのう、とバルドは思った。

 まるでどこかの誰かのようだ。

 だがよく考えると、なるほどと思う面もあった。

 シャンティリオンは、真面目で素直で一生懸命な男なのだ。

 今はこの旅の中で自分にできる精一杯のことをしようとしている。

 その現れ方が、たまたまこうなっているのだろう。


 バルドの名が傷つくことはかまわなかった。

 どのみち王都に帰れば、あれやこれやの責任を押し付けられて免職されるのだ。

 不祥事などというものはどうしたって多少は起きるものだから、これ幸いと直轄軍の大掃除に利用されるだろう。

 だから、バルドの不名誉で済むことならかまわない。

 だが、王の名を傷つけるわけにはいかない。

 また、シャンティリオンの名にも傷は付けたくない。


 シャンティリオンは、噂というものの恐ろしさを分かっていない。

 例えばこういう噂が立つとする。

 ある村で、村役と商人が職人を苦しめたのを、バルド将軍が助けたらしいぞ。

 ところがそれにこう言う者がいたとする。

 俺はバルド将軍が村役を苦しめたと聞いたぞ。

 そのあと噂はどんどんゆがんでいく。

 しかも元の話が事実を含んでいるだけに伝わる話は説得力を持つ。

 噂の果てに、善人が悪人となり、加害者が被害者となることもあるのだ。


 だからバルドはシャンティリオンには身分を名乗らせないようにしている。

 実のところ、バルドの名などより、アーゴライド家の名のほうがよほど影響力があるだろう。

 ありすぎる。

 地方領主たちにとって、バルド大将軍などというものは、今だけ頭を下げておけばやがては消えてなくなる存在だ。

 だがアーゴライド家の機嫌をそこねたら、百年先の子孫までが報いを受けることになる。

 そう彼らは思うはずだ。

 バルドはこの国のことをまだよく知らないが、アーゴライド家がそういう家だということは分かる。


「ゴドン・ザルコス殿は常々、旅はよい、旅はよいとおっしゃっていたそうですが、本当にそうですね」


 何気なくシャンティリオンの口からもれたこの言葉を、バルドはいったん聞き流して考え事を続けていた。

 だがふと、気が付いた。

 今、シャンティリオンは何と言うた。

 こやつにゴドン・ザルコスのことを話したことはある。

 何度か話したはずじゃ。

 しかし、ゴドンのその口癖については話しておらんはずじゃ。

 こやつはそれをどこで聞いたのじゃ。

 バルドはそれをシャンティリオンに聞いた。


「え?

 それは、ほら、辺境競武会の最後の日に行われた宴です。

 私は寝床に横たわっておりましたが、わが家門に縁のある者が副審判をしておりまして、あの宴の模様をあとで詳しく話してくれたのです。

 ジュルチャガとかいうバルド殿の従者が、ゴリオラ皇国の皇宮でも語ったという旅語りを聞かせてくれたというではありませんか。

 あちらの皇宮の奥は相当な身分の者しか入れないそうで、何か特別な身分をもらっていたそうですね。

 周りの騎士たちから肉や酒をもらいながら、楽しそうに語っていたとか。

 バルド殿もおられたと聞いていますが」


 ジュ・ル・チャ・ガ!

 確かにやつの姿を見たような気もした。

 酔いで記憶が混乱していたのではなかったのだ。

 牛肉は騎士のために用意されたものでそれ以外の者は食べられない。

 その場に足を踏み入れることもできない雰囲気だった。

 だからあそこにジュルチャガが来るはずがないと思い込んでいたが、そういえばやつは準貴族とやらに叙せられていたのだった。

 いや、やつならそもそもどこにでもちゃっかり現れかねん。


 ほら話のような英雄譚も、ただの物語として聞いているうちはよい。

 しかしその主人公が自国の大将軍になったらどうか。

 噂というのは正しく伝わらないからこそ噂なのであり、場合によっては故意にねじまげられることもある。


 考えかけて、バルドは心配するのをやめた。

 どの道すぐにこの地位は去る。

 この国も去る。

 辺境騎士団の騎士は王都には縁が薄いだろうし、出場者たちも、シャンティリオンなどの例外を除いて地方で活躍している騎士たちだ。

 大した影響があるはずもない。


「私は感動し、その者に命じてバルド・ローエン卿の物語を覚えている限り書き記させました」


 いらんことをするな!

 と思わずどなりそうになったが、こらえた。

 今のバルドはシャンティリオンの上司だが、身分はあちらが遙かに上であり、個人的な行動に文句を付けられる立場ではない。

 そんなことをする人間がほかにもいるかもしれないということには思いが及ばなかった。


 2


〈ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ〉

〈ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ〉

〈踊る、踊る。踊り子は踊るよ〉

〈マウカリユナは美しい娘さ〉


 速いテンポの激しい曲調の歌だ。

 歌っているのはエイナの男だ。

 薪の明かりに照らされるその顔は若く美しい。

 しかしよく見れば年寄りのようにもみえる。

 高い音域で張り裂けそうな調子で歌っている。


〈ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ〉

〈マウカリユナには恋人がいた〉

〈甘い肌をした優しい男さ〉

〈男はマウカリユナへの求婚の贈り物が欲しかった〉

〈だから男は騎士様について戦場へ行ったのさ〉


 一人の男が四弦のザルバッタを奏で、二人の男が小さな太鼓をたたいている。

 エイナの男たちだ。

 ほかにも十数人のエイナの男たちと、同じぐらいの数のエイナの女たちが、手拍子と掛け声で合いの手を入れている。


〈ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ〉

〈マウカリユナは寂しくなった〉

〈寂しくなって我慢できなくなった〉

〈マウカリユナの欲しいものは贈り物じゃなかった〉

〈男の柔らかいくちびるだったのさ〉


 三つの村から集まったという観客は、思い思いの場所に陣取り、酒や果実汁を飲みながら、エイナの民の芸に酔いしれている。


〈ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ〉

〈マウカリユナは戦場に行った〉

〈戦争はまだ続いていた〉

〈そして男は死んでいた〉

〈恋人に別れも告げず〉


 輪の中心では一人の女が踊っている。

 エイナの娘だ。

 振り乱した燃えるような赤い髪から汗を飛ばしながら、女は情熱的に踊っている。

 大きく手を足を振り、肉感的な胸を振るわせ腰をゆすりながら、女は激しく踊っている。


〈ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ〉

〈男を村に連れて帰りたかったけれど〉

〈誰も男を運んではくれない〉

〈騎士様の馬は戦利品でいっぱいで〉

〈従者の死体を乗せる場所などなかったのさ〉


 バルドがこの女を見るのは二度目だ。

 最初に見たのは、ロードヴァン城から王都に向かう旅の途中だ。

 大雨に降られて逗留とうりゆうした地方騎士の館で見た。

 村の名も領主の名も、もう覚えていないが。


〈ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ〉

〈だからマウカリユナは騎士様に頼んだのさ〉

〈この人の首を切って〉


 ひどく印象的な目をした女だ。

 あのときも、そう思った。

 どうしてこの女は、こんな目でわしを見るのか。

 それはまるで、命懸けの恋をした相手を見る目だ。


〈ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ〉

〈騎士様の切った首をマウカリユナはうれしそうに見つめた〉

〈この女は狂っていると皆は言った〉

〈けれどマウカリユナは幸せだった〉

〈もう男のくちびるは彼女のものだったから〉


 隣では、ぽかんとした顔でシャンティリオンがみとれている。

 上級貴族なのだから、さまざまな芸能に親しんできているはずだが、こんな上品さからほど遠い歌や踊りは知らないのだろう。


〈ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ、ティエレレ〉

〈踊る、踊る。踊り子は踊るよ〉

〈マウカリユナは美しい娘さ〉

〈ティエレレ〜〜ティエ〜〜イエ〜〜〜〜ア〜〜〜〜〜〜〜!〉


 泣き叫ぶような高音が響きわたり、曲は終わった。

 大きな拍手が起きた。


 3


 村々では収穫祭が行われていた。

 この時期、エイナの民はどこの村でも引っ張りだこだ。

 歌や踊りや手妻や物語で楽しませ、革細工を直したり、ちょっと珍しい細工物を売ったりする。

 少しばかり〈旅隊トラン〉のおさに祝儀をはずめば、気に入った娘や男と木陰で夢を見ることもできる。


 バルドたちは、村長むらおさに勧められるまま、三日間続くこの宴に参加することにした。

 バルドは特大の酒樽を一つ買い取って、それを皆に提供した。

 村長は最初の乾杯をバルドに捧げ、このお大尽様に皆の拍手を集めた。

 そのあとは、文字通りの無礼講だ。


 曲が変わった。

 静かな甘い調子だ。

 エイナの名歌手がうぶな少女の恋を歌う。

 踊り子がそれにあわせて身をくねらせる。

 大きな身振りはないのだが、美しい肌膚きふからは媚薬が噴き出しているかのように、人をき付けて放さない。


 まただ。

 またわしのほうを見ておる。

 いや。

 誰にでもそう思わせておるのか。

 だとすれば、妖術にもひとしいわざじゃ。


 やがて女の踊りは終わった。

 続いてエイナの民の演奏に乗せて村人が踊り出した。

 しばらくするとシャンティリオンも引っ張り出され、その踊りの輪に加わった。

 村娘が何人か、熱っぽい視線をシャンティリオンに向けている。

 手を取って一緒に踊ろうとする者もいる。


 バルドは少し離れた場所に移って木に背を預けた。

 酔い加減の頬を夜の風がなでてゆく。

 目をとじてまどろんだ。


 半分夢の中で、バルドは刀匠ゼンダッタの話を思い返していた。

 あの話は、バリ・トードの話と補い合う部分もあり、食い違う部分もあった。

 バルドが伝え聞いていた古代の伝説と共通する部分もあり、違う部分もあった。

 いずれにしても、今まで知らなかったことを知ることができた。

 これまで見えなかったものが見えるようになってきた。


 だがそれが全体としてどんな意味を持っているのかは分からない。

 これから起きるであろう何事かと、それがどうつながるのかは分からない。

 ゼンダッタは、バルドは使命を帯びた人間なのだと言った。

 バルド自身にその実感はないが、ゼンダッタの言葉を軽んじることはしたくない。

 いつか意味を知る日まで、ゼンダッタの言葉を覚えておくほかない。


「もう、酔ったの?」


 もたれ掛かった木の後ろから声がした。

 顔を見なくても、踊りを踊っていたあの女だと分かった。

 森の中に人の気配は少なくないので近寄るのを気にしていなかったが、バルドに用があったらしい。


「あんたに会うの、二回目ね」


 そうじゃったかの、と振り返りもせずにバルドは返した。


「まあ。

 冷たいのね。

 あたしは一目あんたを見たときから、あんたのことだけを考えてたのに」


 あまりにもありきたりな言い回しなので、バルドは軽く笑った。


「笑うのね。

 でも、きっとあんたもそう。

 あたしのこと、忘れられなかったでしょ。

 だってあんたは私の男なんだから」


 どうもこの女は今夜の客はバルドだと決めたようだ。

 悪くない人選だ。

 今この村にいる人間の中で、バルドが一番金を持っていそうにみえるはずだ。

 それは、そう間違いというわけでもない。


 女が木の後ろから右側に出て、腰を下ろした気配がした。

 甘い香りがただよう。

 何かに似た甘い香りが。

 いったい何の香りだったか。

 そうだ。

 辺境に咲くテュルシネの花だ。


 手が伸びてきてバルドのひげを柔らかくなでた。

 それから女は両の手でバルドの頬を挟んで、ぐいとねじり、バルドの顔を自分のほうに向けさせた。

 踊っていたときの妖艶さは消え失せていた。

 驚くほど美しい顔だ。

 こんな薄暗い場所でも、赤い髪は燃え上がるようにまぶしい。

 かつてはバルドの髪も、これに劣らないほど赤かったのだ。

 くっきりした眉と少しつり上がった大きな目が、気の強さを感じさせる。

 赤くて少し大きめの口は、かすかなほほえみを浮かべているのに、悲しさを感じるのはなぜだろう。


「ライザよ」


 と女は言った。

 ライザ、とバルドは口にした。


「そうよ」


 とライザは笑みをみせ、顔を寄せてきた。

 テュルシネの花のような香りがバルドの鼻を満たした。

 それもよいかとバルドは思った。

 だが、そうはならなかった。

 馬だ。

 騎馬隊だ。

 おそらく二十騎ほどの。

 じゃらじゃらという、鎧や武器がぶつかりあうような音も聞こえる。

 誰かが祭りに乱入してきたようだ。


 4


 ライザとともに広場に戻った。

 村人も旅隊トランの者も集まって来ている。

 二つ目の月も昇ったので広場は明るい。


 騎士たちは領主の家臣だった。

 エイナの民たちはただちに領主の館に上がるようにと命じた。

 領主の館でも収穫を祝う宴を行うのかもしれず、この命令自体に怪しい点はない。

 だが、その命を伝えるのに、なぜ二十人もの家臣を派遣したのか。

 二十人のうち、少なくとも半数が騎士にみえる。

 館にはまだほかに騎士がいるだろう。

 ここの領地は四つの村のはずだ。

 どうやってこれほど多くの騎士を養っているのだろう。


 旅隊トランの長が指示を出し、エイナの民たちは荷を馬車に放り込んで移動し始めた。

 辺りを回っていた騎士が、バルドの後ろにいるライザを見つけた。


「女。

 お前もエイナの娘だな。

 来い」


 差し出された手をよけて、ライザはさらにバルドの後ろに隠れ、


「いやだ。

 あたしは今夜、この旦那に買われたんだ」


 と言った。

 騎士は不快げな目つきをして、ライザを捕まえようとした。

 自分の体でその動きを封じてバルドが、


  騎士殿、確かにこの者たちは金を払えば一夜の夢を与えてくれる。

  しかしそれは金さえ出せばいつでもどこでも自由にできるということではない。

  この者たちにもこれはしたいこれはしたくないという気持ちはあるのだ。


 と言うと、


「来なければおさを殺す」


 と言ってきた。

 ライザは悲しそうな目をしてバルドのひげをなでて、馬車とともに歩き出した。

 いよいよおかしい、とバルドは思った。

 やり方が強引すぎるし、なぜあそこまでの殺気を込めなくてはならないのか。

 エイナの民に芸をさせるために呼んでいるという雰囲気ではない。

 そのとき、シャンティリオンの声がした。


「では、私たちもご領主の館に招待していただきましょうか」


 見ればシャンティリオンは隊長とおぼしき騎士と向き合っている。


「ほう。

 領主様の館に宿をご所望か」


 暗がりであっても近くでよく見れば、シャンティリオンからあふれ出る気品は分かる者には分かる。

 身なりは放浪の貧乏騎士なのだが。


「ええ。

 私たちを招いたことを、ご領主は後悔なさらないでしょう」


 これは暗に自分たちがそれなりに身分の高い騎士であることを告げている。

 隊長の騎士は、


「では、ご同行願おうか」


 と言った。

 バルドとシャンティリオンは馬に乗った。

 落ちぶれたこじき騎士か、強大な戦闘力を持ち誇りを失っていない騎士であるかは、馬に乗った姿をみれば見当がつくものだ。

 バルドとシャンティリオンから武威を感じたのか、隊長の騎士はひどくきつい視線を送ってきた。

 これから殺し合う敵に向けるようなきつい視線を。


 5


 それは館というより砦だった。

 たぶん昔は砦だったのではあるまいか。

 大きく頑丈な岩壁でぐるりを覆っている。

 中の様子は外からは見えない。


 旅隊に続き、最後に防壁の中に入ったバルドは、ぎょっとした。

 広場のあちこちに、人がつながれている。

 逃げ出せないよう縛られて。

 その者たちは平民だ。

 農民なのか、旅人なのか。

 絶望を目に浮かべている。


 人狩ひとかりじゃ!


 まさか領主が率先して人狩をするとは。

 いくらなんでも自領の民は狩るまいし、ごく近くの村も襲いはしないだろう。

 しかし足がつきにくい場所に部下を派遣し、村人をさらい、街道に網を張って旅人をさらう。

 そして奴隷に売り払う。

 それは収入の底上げをするには手軽な方法だ。


 もちろん、まともな奴隷契約書は作れないから、正規の奴隷としては売れない。

 だが使いつぶしの奴隷を欲しがる相手は必ずいるのであり、そうした相手は正規の相場より高い値段をつける。

 女たちは、むろん最底辺の奴隷娼婦となる。

 見目がよくて若ければ、男奴隷の数倍で売れるだろう。

 娼館には大きな出費となるが、何しろ給料を払わなくて済む娼婦なのだから、元を取るのはたやすい。


 今すぐシャンティリオンと二人でなら逃げられる。

 だが馬を下りて建物の中に入れば、生きて出られないかもしれない。

 シャンティリオンを死なせるわけにはいかない。

 どうするか。


 隊長の指示のもと、兵士たちは連れてきたエイナの民を拘束し始めた。

 手を縛り、動けないよう壁や石に結わえ付けるのだ。

 それを見てシャンティリオンが抗議の声を上げたが、


「お二人は、こちらへ」


 と隊長の騎士に案内され、二人は建物の中に入って行くことになった。


 6


 領主は若かった。

 まだ二十歳をいくらも越えていないだろう。

 笑いを貼り付けたような目をしていて、顔全体が青白くのっぺりしている。


「旅の騎士殿。

 名前をお聞きしてもよろしいかな」


 と領主が言った。

 シャンティリオンはうなずくと、バルドに向かい、うやうやしく両手を差し出した。

 王印が刻まれた短剣を要求しているのだ。

 それは悪手あくしゆじゃ、とバルドは思い、首を横に振った。

 こちらの正体を知ったら、絶対に生きて帰してはならない相手だと思うだろう。

 うまく言いくるめれば仲間にできそうな相手と思わせたほうがよい。

 しかしシャンティリオンは重ねて短剣を求めた。

 やむを得ず、バルドは短剣を渡した。

 シャンティリオンから短剣を受け取った若い領主は、しばらくそれを検分し、やがて驚愕を顔に浮かべた。

 シャンティリオンは、たたみかけるように、


「領主殿。

 こちらにおられるおかたは、恐れ多くも国王陛下より中軍正将の印璽を託されたバルド・ローエン卿閣下である。

 閣下はお忍びの旅の途中であり、事を荒立てるおつもりはないので安心されよ。

 収穫の祝いにエイナの民を求めるお気持ちは分かるが、手段が乱暴すぎる。

 民をじゅうぶん楽しませたあとで館に招いてもよかったのではないかな。

 われらはこれで立ち去るが、エイナの民には褒賞をはずんでやってもらいたい」


 と言った。

 領主の家来たちはざわめいた。

 いきなり国王直轄軍の大将軍が目の前に現れたと言われれば、驚くのも無理はない。

 バルドも驚いた。

 シャンティリオンは、先ほど見た光景の意味を分かっていない。

 人狩りを知らないはずもないだろうが、知識と目で見た光景がうまく結びつかないのだ。


「嘘だな」


 という領主の声が、部屋のざわつきを静めた。


「バルド・ローエン、などという騎士は聞いたこともない。

 この短剣も真っ赤な偽物だ。

 国軍の柱石たる大将軍の名をかたるとは、許されざる大罪。

 者ども、このふらち者どもを斬り捨てよ!」


 シャンティリオンは、慌てた様子でさらに領主に話し掛けようとした。

 領主の命令があまりに唐突だったので、家臣たちもすぐには動けなかった。

 このわずかな時間をバルドは無駄にしなかった。

 スタボロスの名を心で呼びながら古代剣を抜き、振り向きざまに金属鎧の騎士に斬りつけたのである。


 部屋の中には領主以外に八人の敵がいた。

 全員が剣を腰に吊っている。

 比較的腕の立つ者がこの部屋に集まったようだ。

 そのうち二人が金属鎧をつけており、兜も着けている。

 この兜の二人さえ何とかすれば活路は開けると踏んだのだ。


 名工の手によって研ぎ直された古代の魔剣は、人には見えない青緑の光を放ちながら、兜ごとその頭を断ち割った。

 領主の家臣たちが剣を抜いて襲い掛かってくる。

 バルドは他の敵には目もくれず右前に一歩踏み込み、もう一人の兜の敵の首をめざして左から右に古代剣を振った。

 兜を着けたままの首が宙に舞った。

 一本の剣が脇腹に当たった。

 一本の剣は左手で受けた。

 間合いを取るため、後ろに跳んだ。

 跳びながらシャンティリオンの様子を見た。

 うまく領主を取り押さえてくれれば、事態は一気に有利になる。


 シャンティリオンは、剣も抜かず棒立ちになっていた。

 領主は剣を振り上げ前から、騎士隊長が剣を突き出して後ろからシャンティリオンに襲い掛かろうとしている。

 バルドの背中が壁に当たった。

 正面から二人の敵が剣を振り上げ迫ってくる。

 左の敵の剣を左腕で受け止め、右の敵には古代剣を突き出した。

 右の敵は大きく後ろに吹っ飛んだ。


 バルドは右足で後ろの壁を蹴ると、大きく前に飛び出した。

 左の敵の顔を左手でつかみ、そのまま前に押し出していって放り投げた。

 後ろにいた敵を巻き込んで転がった。

 転倒をまぬがれた敵は二人いて、すぐにバルドに斬り掛かってきた。


 バルドはちらりと右を見た。

 領主は右手を斬り裂かれて剣を取り落としている。

 騎士隊長は腹を真横に斬り裂かれて臓物をあふれ出させている。

 さすがはシャンティリオンだ。

 動転していても、磨き抜いた技は生きている。

 だがやはり様子はおかしい。

 剣を持ってはいるものの、まるで自分のしでかしたことにおびえるかのように、わなないている。


 こうした様子を目の端に捉えながら、バルドは素早く左側に走り込んだ。

 二人を同時に相手取らずにすむ位置取りをしたのだ。

 斬り掛かって剣を左腕で受け止め、すかさず相手の首筋に古代剣を打ち込んだ。

 首から激しく血を噴き出させ始めたその敵を右足で蹴り飛ばした。

 その後ろで起き上がっていた敵に当たった。

 態勢を崩したところに素早く駆け寄り、首筋に切り付けた。


 見回すと、最初に腹を突いた敵が起き上がろうとしていたので背中から肩口に一撃を浴びせた。

 最後に右手を押さえてわめき回っていた領主の頭を断ち割った。


 振り返ると、扉が開けられていて、領主の家臣たちが青ざめた顔で部屋の中をのぞき込んでいた。

 バルドは彼らに、国法を犯した領主は成敗した、手向かいする者は斬る、と告げた。

 彼らは逃げ散って行った。


 シャンティリオンは、自分が殺した騎士隊長を見下ろして、呆然ぼうぜんとしている。

 この青年は実戦経験があるはずだが、これはどうしたことか。

 いや。

 実戦経験といっても、騎士隊を率いて盗賊を討伐したり、獣を追ったりするのと、今日のこれは違う。

 バルド自身、初めて人を斬ったときは、剣が相手の肉に食い込む感触が何日も何日も思い出されて苦しんだ。

 人間の血と内臓の噴き出した匂いは強烈だ。

 しかも相手は自国の騎士なのだ。


 が、今はゆっくりしていられる時ではない。

 シャンティリオンをき立てて外に出た。

 つながれている者たちを早く解放するのだ、と命じた。

 悲鳴が聞こえた。

 女の声だ。

 逃げる騎士が馬に女を担ぎ上げようとしている。

 バルドは走り始めた。

 その横を抜いてシャンティリオンが走った。

 バルドは足を緩めて、辺りを見回した。

 悲鳴を上げている女のことは、もうシャンティリオンに任せておけばよい。

 幸い、ほかには狼藉をしている者は見当たらない。


 シャンティリオンに目線を戻すと、不埒者ふらちものを打ち据えて女を解放していた。

 エイナの娘だがライザではない。

 もう少し若く、黒い髪の娘だ。

 バルドは女をさらおうとした騎士のもとにより、どこに行くつもりか尋ねた。

 知らない騎士の名前を答えたので、それは誰だと訊くと、ここの少し南に領地を持つ騎士だという。

 バルドはシャンティリオンに命じて、その男を解放した。

 どうせもう何人かは先に逃げたはずだ。

 急がなくてはならない。


 縛られている者たちを解放し、バルドは告げた。

 人狩りをして奴隷に売ろうとしていた領主は成敗した。

 領主の仲間が駆けつけるかもしれないから、すぐに逃げたほうがよい。

 数日分の食料程度なら、この館の物をもらっても目をつぶると。


 エイナの民たちの行動は早かった。

 長の命を待つまでもなく、館に飛び込んだのである。

 入れ違いに館の者が出てきて逃げて行く。

 それぞれ荷物を持って。

 捕らわれていた者たちのうちある者は館の中に入っていき、ある者は礼を言ってそのまま出て行った。

 シャンティリオンはわけが分からず混乱している。


 バルドはシャンティリオンに説明した。

 この領主が討たれたことは、すぐに近隣に伝わる。

 どういう系統の騎士であるかは知らないが、親族や係累、あるいは派閥の者など関係者があるだろう。

 ここの領主の犯罪を知ってうまい汁を吸っていた者は、わしらを殺して復讐しようとするだろう。

 ここの領主のことを身内の恥と思っていた者は、わしらを殺して口封じをしようとするだろう。

 いずれにしてもここで迎え撃つわけにはいかん。


 バルドもシャンティリオンを連れて、もう一度館に入った。

 悲鳴が聞こえる。

 部屋に入ってみると、領主の家族であろう女たちがいて、数人の男が襲っている。

 近づいてみたところ、首輪を奪おうとしていた。

 首輪の持ち主は領主の奥方だろうか。

 奪おうとしているのは、先ほどまで家臣だった男だ。

 バルドは男たちを追い払い、この部屋に手をつけることは許さん、と宣言して部屋を出た。


 エイナのおさがやって来て、救ってくれた礼を言い、これからどちらに行かれますか、と訊いてきた。

 バルドは、北か西の方角にある街か村に行きたい、と答えた。

 長は、三刻里西に村があり、さらに二刻里北に進むと大きな街がある、と言った。

 ではわしらはそこに向かうと、バルドが言うと、ご一緒できませんかと長が訊いてきた。

 護衛をしてくれないかと頼んでいるのである。

 エイナの民は馬車に荷物を積んで歩くのだから、早くは進めない。

 バルドは、小さく笑って、抜け目ないやつじゃのう、と相手を褒め、よし一緒に行ってやろう、と答えた。

 長は深々と頭を下げた。


 エイナの者たちが館から出てきた。

 手に手に食器や調度などを持っている。

 要するに盗んだのである。

 口を開きかけたシャンティリオンをバルドがとめた。

 この者たちにも旅の資金が要る。

 あの村では結局ただ働きになってしまったのだ。


 バルドは長に荷造りを急がせ、シャンティリオンに説明した。

 先ほど女をさらって南の領主に届けようとした者がいた。

 その領主は、さらった女を土産として喜んで受け取る人間であるということだ。

 これを聞いてシャンティリオンも理解したようだ。

 バルドは井戸に行き水筒に水をくむと、鎧に付いた血を洗い流した。

 シャンティリオンも同じようにした。

 そして旅隊トランとともに館をあとにした。


 7


 二つの月の夜だったことは幸いだった。

 一行はできるだけ急いだ。

 けれども、足の悪い者と幼い者以外は徒歩なのである。

 いくら月が明るくとも、夜の山道ではそう早くは進めない。

 やがて夜が明けた。

 そして、陽が高々と昇るころ村に着いた。


 村長は一団の到着に驚いたが、エイナの旅隊は今まさに来て欲しかった相手だ。

 さっそく夜に芸を披露する約束がまとまり、村の近くの木陰で一同は休憩した。

 何しろ芸で疲れたあとに領主館に連れて行かれ、そのあと食事もせず歩き通したのだ。

 みんなひどく疲れている。

 村長が気を利かせて水を運ばせた。

 バルドとシャンティリオンを見て少し不思議そうな顔をしたが、特に何も言わなかった。


 日が落ちかかるころ、シャンティリオンは目覚めた。

 バルドは少し前に起きて、武器と鎧の手入れをしながら、村人が宴の用意をするのを見ていた。

 もう焦る必要はない。

 これほど人目のある所では、追っ手が来たとしてもそう乱暴なことはできない。

 長が食事を持ってきてくれたが、シャンティリオンは食べなかった。

 物も言わず膝を抱え込んで動こうとしない。


 そして祭りが始まった。

 エイナの者たちは、あまり体を休めることもできなかっただろうに、元気なもので、達者な芸を披露して大いに村人たちを楽しませているようだ。

 その喧噪を少し離れた場所で味わいながら、バルドは酒を飲んだ。

 シャンティリオンは相変わらずである。


 何を苦しんでいるのだろうか。

 正義を突き付けても恐れ入らない騎士がいたことにだろうか。

 人を殺してしまったことにだろうか。

 バルドは悩んだ末、一通り言うべきことは言っておくことにした。


 シャンティリオン。

 あの部屋にいた者を皆殺しにするまではなかったと思っているか。

 だがな。

 あれはああしなくてはならんのだ。

 一切れのパンを得るために人を殺した者は、もう決してまともな人間には戻れない。

 その者は、腹が減ればまた人を殺すのだ。

 人食いの味を覚えた獣が次からは人ばかりを狙うようになるのと同じだ。

 人食いの獣を捕らえながら野に放つ阿呆はおるまい。

 毒に染まってしまって自らも毒となった人間は、もう元には戻らないのだ。

 人狩りをするような者を放てば、またどこかで人を狩る。

 わしたちは先で狩られるはずじゃった誰かを助けたのじゃ。


 バルドの言葉が耳に入ったのか入らなかったのか、シャンティリオンは何の返事も返さない。

 これが十四やそこらの年ならば、一発頬っぺたを殴り付け、それから抱きしめてやればよい。

 だが相手は二十四の大人なのである。

 もう父親代わりが抱きしめるような年ではない。

 かわいそうだが自分で立ち直ってもらうしかない。


 いや、待てよ。


 バルドは立ち上がって、祭りの輪に近づいた。

 村人たちが踊っている。

 いた。

 少し離れた木陰で休んでいる。

 バルドが近づくと、ライザは満面の笑みを浮かべた。


「来てくれると思ってたわ」


 バルドはライザに言った。

 頼みにくいことなのじゃが、頼む。

 わしの連れの若者は、自国の騎士を斬り殺したことがひどく心に掛かっておるようなのじゃ。

 もしかしたら人の命を奪ったのは初めてじゃったかもしれん。

 こんなときは、人肌の温かさが何よりの薬なのじゃ。

 あの若者に優しい夢を見せてやってはくれまいか。

 ライザは笑いを顔に残したまま、こう言った。


「あんた。

 鈍感なやつだって言われたことない?

 でも、分かったわ。

 あたしたちを助けてくれて、ありがとう。

 あの坊やの面倒はみるわ」


 バルドは礼を言い、離れた場所に歩いて行った。

 エイナの長が貸してくれた大きなシートで即席のテントを作り、柔らかな草を敷き詰めた。

 夜明けの風で関節が痛むので、風よけのできるテントはありがたい。

 マントにくるまってごろりと横になり、うつらうつらと考え事をした。


 シャンティリオンのあの初心うぶさは、いったいどういうことだろう。

 上級貴族の家に生まれ育ったのだから、人の悪意など山ほどみてきたはずなのに。

 空気を吸うように権謀術数をめぐらせるよう育ってきているはずなのに。

 いや、そうではない。

 それはバルドの思い込みにすぎない。

 シャンティリオンがどんな環境で生まれ育ったかなど、実際には何一つ知らないのだから。

 シャンティリオンは正義を尊び、善は報われるべきだという考えを持っている。

 純な心を持っている。

 それが事実だ。

 あの気質のよさを失うことなく、現実に即した判断力を育てることができれば、素晴らしいことではないか。

 それはこの国の少なからぬ民にとって意義あることとなるだろう。


 と、冷たい風が吹き込んできた。

 誰かがバルドの寝所に潜り込んでくる。

 テュルシネの花の甘い香りがした。

 柔らかな肉体が、バルドの体に寄り添うように伸び上がってきた。

 シャンティリオンのことを頼んだはずだがのう、とバルドが言うと、


「若いを行かせたわ。

 ちゃんと言い含めてあるから大丈夫。

 あなた、言ってたじゃない。

 あたしたちにも、自分の気持ちってものがあるんだって」


 ライザの指がバルドのひげをなでた。


「あんた、サルサの香りがする。

 あたしの、おとこ」


 サルサは辺境にはよく生えているが、中原では見たことがない。

 何の変哲もない草で、匂いらしい匂いもない。

 バルドは、辺境の野山を懐かしく思った。


 8


「さあさあ、急ぎましょう」


 シャンティリオンがバルドをせき立てる。

 食事を取ったばかりだし、少しはゆっくりしたい。

 急いでも仕方がないのだが、そう言っても聞かない。

 昨夜のしおらしさはどこに行ったのだろう。


 今朝、バルドとシャンティリオンが旅立つとき、エイナの民たちが見送ってくれた。

 その中に白い上等のハンカチを振っている若い女がいた。

 テイエル絹のハンカチだ。

 恐ろしく高価な物であり、間違いなくシャンティリオンからの贈り物である。

 村がまったく見えなくなってからも、シャンティリオンは何度も振り返っていた。


 エイナの娘と甘い夢を見たあとは、必ず対価を払わねばならない。

 ということまではシャンティリオンに教えていなかったが、金ではなくプレゼントを贈ったようだ。

 それでよい。

 あのハンカチが直ちに売り払われるだろうということは、とりあえず黙っておこう。

 バルドもライザにそれなりの金額を渡そうとしたら、これでは足りないと言われた。

 おさを思わずうなずかせるほどの金が欲しい、というのだ。

 あの長は、そう強欲にはみえなかったが。

 金には困っていないので、それこそ相場の百倍あるいは二百倍になろうかという額を渡した。


 昼前にシャンティリオンが空腹を訴えた。

 ちょうど川があったので、そのほとりで食事を取って休憩をした。

 シャンティリオンは、すごい勢いで食べた。

 あの館はそのままにするのですか、と訊いてきたので、


  なに、領地を担いで逃げるわけにもいくまいよ。

  後ろ暗い者たちはほかにもおるはずじゃ。

  奴隷たちを書類もなしに斡旋した業者がおるじゃろう。

  狙い所はそこじゃな。

  まずは売り先を探して動かぬ証人を押さえる必要がある。

  近くに鉱山か塩田がありはせんかのう。


 と答えた。

 するとシャンティリオンは、あの近くに大きな黒石の炭鉱がある、と言い出した。

 しかもそれはグレイバスター家と縁故のある家の持ち山なのだという。

 街道沿いの街に屋敷があり、そこに行けば事情が分かるという。

 それはいいのだが、まだユエイタンがじゅうぶんに草を食べていない。

 この馬は、食事の量が足りないと、てきめんに不機嫌になるのだ。

 と言ったら、街で最高の飼い葉をいくらでも与えます、と返事が来た。

 その言葉を理解したかのように、ユエイタンまでバルドをせっつきだした。

 食い意地の張った馬である。

 誰に似たのだろうか。


 せき立てられるまま、バルドはユエイタンに乗った。

 胸の隠しに手をやると、よく枯れたソイ笹の葉が何枚か残っていた。

 この小川に流そうかとも思ったが、何となくやめておいた。


 それからしばらく、二人の旅は続いた。

 王都に帰還したのは、秋も深まった九月の末で、出発からちょうど三か月がたっていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る