空き地

 古典に含まれる退屈は

 遊び場代わりの空き地のように広い

 それは時代の隔たりによって生まれたか

 もしくはこちらの感性の浅薄さゆえに空き地としてしか認識できない

 どちらでもいい

 退屈を含まない作品はつまらない

 退屈をおそれて、狭く狭く、ぎっしりと瓦礫を敷き詰める

 あの懐かしい空き地

 遊びの苗床

 おおらかな余白

 そんな記憶が古典の読解に役立つなんて

 わからないものだ

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