歩く

 よく考えたら絶望

 よく考えなくても絶望

 暗くて狭い道は

 明るくて広い道よりなじんで

 あったはずのものがなくて

 なにがないのかは思い出せなくて

 それでも忘れられない光が

 言葉や音や記憶から

 ときたま燠火のように輝いて

 歩いていることに気づかなくても

 ずっと歩いていて

 どこへ

 いつまで

 なんのため

 考えれば考えるほど絶望

 でもときたまの

 あの光

 歩く

 歩いている

 わからなくても

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