白紙

 白紙は無音

 それは恐怖

 記憶もいつか

 そうなる運命


 家族の名前もわからなくなった

 あの状態にはなにかがある

 外から覗いて

 見えた忘却


 時が止まったような真昼時まひるどき

 光だけが

 思い出せる他者

 その感触


 赤子の白紙と老人の白紙

 見分けるコツは

 曲げられた跡と

 痛ましさ

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