船の上から

 船の上から

 夕日を見ていた

 手すりは冷たく

 風は荒く


 落ちたら死ぬのかな

 陸から離れて海を見下ろすと

 そんなことばかり考えてしまう

 不意に呑み込まれてしまいそうで


 逃げ場のない空間

 移動は命がけ

 外に出たのが間違いなのか

 なにに出会うかもわからないのに


 船の上から

 見る夕日は

 人間の色をしていなくて

 一緒に海に沈みたくなる

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