殺意の恵み

 殺したいほど憎い相手はいないのに

 殺意が無限にあふれてくることを

 ひとつの恵みとして受け取ろう

 殺すべき人間は存在しないけど

 殺すべき観念は存在する

 不揃いな認識の渦中に分け入って

 不愉快な認識の誤謬をぶち殺そう

 自分の意識に属するものなら

 仮借なく殺せるはずだから

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