死が現実にならないから

 死が現実にならないから

 いくら死んでも他人事

 すべて窓の向こう側

 この乖離をどうすればいいのか?

 豆粒ほどに遠く見える死の手触りが

 どれだけ怖ろしいものを含んでいるか

 自分にも他人にもわからせたくても

 脳を殴られたところで無反応

 夢でもみているのだろう

 日常と呼ばれる装置は夢を固定する

 覚めて死ねるだろうか

 この夢のために死にたくはない

 公的な夢で死にたくはない

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