タブラ・ラサ

 他人の死は哀しいけれど

 自分の死は

 どうということもなさそうだ

 哀しむ存在自体がないのだから


 苦痛

 それだけが怖い

 死ぬ直前まで死は怖いだろう

 耐えがたいほど恐ろしいだろう

 死んでしまえば

 なにも怖くない

 なにもないから


 自分の死は

 自分では感じられない

 感じられない死は

 怖くはないし

 哀しくもない


 無痛

 それだけが救い

 死後の白紙

 タブラ・ラサ

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