かけら

 哀しすぎると

 なにも読めなくなる

 なにも受け入れられなくなる

 なにも信じられなくなる

 そんなときは

 たしかにある

 必ずといっていいほど

 人の生涯に


 そのとき届く言葉

 伸ばされた手

 つなぎとめる音楽

 差し込む光

 それはいったい

 どんなものだろう

 最後の支えになる

 死を呑み込んだ

 砕けないかけら

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