伝わらなさ

 だれにもなにも伝わらないという感覚は

 どうしても拭えない

 それはだれもが抱える疎隔感か

 だれもが口にしない距離感か

 この玻璃状はりじょうの砕けない壁は

 だれもに見えている寂寥なのか

 だれにもなにも伝わらない

 だれにもなにも触れられない

 そして自分は

 だれの想いも汲み取れない

 硝子がらすに痛みが反響しても

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