ゲームの虚無感

 ゲームにうつつを抜かしていると

 なにも手につかなくなる

 本や音楽なら

 いくら時間をつぎこんでも

 大して悔やんだりはしないけれど

 ゲームに費やした膨大な時間は

 時に虚無的な気分をもたらす

 なぜだろう

 人間は遊ぶために生まれたのではないのかと

 そう信じてすらいるのに

 なぜだろう


 遊びはなにかの役に立つか?

 立つのかもしれないが

 それはどうでもいい

 好きになるものはたいてい役に立たない

 強いて言うなら

 よき記憶は

 こころの支えくらいにはなってくれる

 よき遊びはよき記憶の温床だから

 ゲームへの愛着は詮無いものでもない

 それでも時に訪れる底知れない虚無感

 なぜだろう


 でもある意味では

 ゲームの虚無感に向き合うことは

 生の無意味と対峙する

 いいきっかけになるのかもしれない

 生に意味があるのなら

 遊びにも意味はあり

 ゲームも愛に価する

 そう思っている

 無意味でも

 好きであることに変わりはないけれど

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