不安な道

 もう先達は

 いないような気がする

 自分には力量も独創性もないのに

 なんて不遜な考えだろう

 でもそんな気がする

 自分自身の詩を見つけたいなら

 もうだれにも頼れない

 なんて不安な道だろう

 だれに求められてもいないのに

 なんでそんなところを目指すのか

 他の道が全部

 塞がれているからだ

 引き返す先もなくなったからだ

 とにかくこの道を行くしかない

 落盤で死んでも袋小路に行き当たっても

 とにかくこの道を行くしかない

 狭隘で曲がりくねった暗がりの獣道でも

 とにかくこの道を行くしかない

 詩を見つけたいなら

 物語を語りたいなら

 とにかくこの道を行くしかない

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