予感のなかで
価値観が崩落していくなかで
よりどころとなるものは何だろう
すがれるものはあるのだろうか
朽ち果てていくもろもろの事物たち
あの人に会いたいな
でも叶わない
あの声を聞きたいな
でも叶わない
胸は痛んで死を乞うばかり
恋歌はきっと挽歌より死に近い
風はざわめく予感で濁る
雲の表情がいつもよりこわばる
窓がゆっくりと視界を遮断する
外は晴れ
人は曇り
憂鬱は静止した雨空に煙っている
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