無がやってきた

 そうではない

 いつも片隅に

 うずくまっていた

 無はいつもそこにいた


 それで

 無はわたしにどうしてほしいのだろう

 そうではない

 無はなにも欲しない

 わたしは

 無にどう触れたいのだろう

 無と溶け合いたいか

 そうではない

 無に襲われたいか

 そうではない

 無と戯れたいか

 そうではない


 無はどこにもいない

 そうしていつもそこにいた

 そうではない

 わたしはいない

 無はいない

 そうではない

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