苦手なゴキブリ
ゴキブリが本当に苦手で
見るだけで胸の底がぞわぞわする
ただなんだか
この条件反射的嫌悪感は
不当な気もして
嫌悪感に対する嫌悪感がある
人間になったゴキブリと友達になる
そんなあらすじの
とても好きな短篇マンガ
ぼくは自分をとても醜い生き物だと思ってきました
そう語っていた元ゴキブリの彼
ゴキブリに怖じ気づくたびに
あのマンガを思い出す
死にかけたゴキブリが
シンクでふらふらとうろついているのを
しばらく観察していたことがある
なぜそんなことができたかわからないけれど
円を描くように同じ軌道をたどる昆虫が
グロッキー状態のボクサーや
痛めつけられた徘徊老人のように見えて
哀れな気もした
不当な嫌悪感と同じくらいに
不当な憐れみではあるけれど
嫌悪感は
危険な感情だから
省察され
解体されるべきだと思う
ゴキブリを見たときの総毛立つようなこの嫌悪感を
どうにか克服できないものだろうか
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