なくしたチョコレート
なくしたチョコレート
さっきまであった甘味
コーヒーのお供
歯の敵対者
少しばかりの官能を
舌先と記憶にくれるはずだった
闇色の甘いチョコレート
どこへいってしまったのだろう
コーヒーカップを片手にしたまま
うろうろと探しつづける
部屋の外へ
家の外へ
街の広場で
懐かしい公園で
駅の片隅で
思い出の本屋で
コーヒーが冷めてしまっても
ずっとずっと探しつづけている
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