「固有時との対話」を何度も

 「固有時との対話」を

 何度も何度も

 一日中

 繰り返し読む

 この長く索漠とした

 暗唱の困難な乾いた詩

 凍りついたこころで

 凍りついた街路を歩いているような

 奇妙な浮遊感のある詩

 色彩が消えたような詩

 神を求めているような詩

 死んでいないことを不思議がるような詩

 「固有時との対話」

 読んでいると

 冬の胞衣えなに包まれているような

 寂しい安心がある

 記憶が詩になるのなら

 言葉が記憶にあたいするなら

 この心象は忘れがたい

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る