溺れる者の藁
なぜ起きるのだろう
なにも待ってなどいないのに
なぜ眠るのだろう
明日が来てほしくなどないのに
それを言うならば
なぜ
生きるのだろう
そう問うのと同じだ
疑問はいくらでも細分化できるが
根はこの問いに集約される
なぜ
詩を書くのだろう
詩は問いでもあり
答えでもあるが
説明不能な言葉を用いるがために
説明不能な問いと答えになる
それでも
説明不能な生存なるものに
わずかなりとも触れようとして
詩を必要とする人間がいる
溺れる者の藁
それが詩
死ぬときにもつかんでいたい
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