いままたひとり、詩を捧げたい人

 ぼくはずっと

 喪った人を

 去ってしまった人を

 いなくなってしまった人を想って詩を書いてきた

 いままたひとり

 詩を真っ先に読んでもらいたかった人が

 どこかへ姿を消してしまった

 たとえ寂しくとも

 その人の行く手に幸いがあるのならば

 その旅立ちを祝したいと思う

 それでも

 寂しさは枯葉のように積み重なっていくから

 未練がましいかすれ声の

 秋めいた弱さの詩を書くことを

 しばらくのあいだ許してほしい

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