記憶の通訳

 外国語が堪能になって

 母国語をまったく使わなくなり

 こころのつぶやきも異国の言葉になってしまえば

 記憶から離れないあの人の言葉も

 ゆっくりと忘れられるのかな

 ぼくが口にしてきた馬鹿な言葉も

 ゆっくりと忘れられるのかな

 それともすべてを記憶が通訳して

 もういちど過去が現れるのかな

 言葉だけが変わり

 恥ずかしさはそのままに

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