傘の下で

 ベンチに座って話していると

 小雨が降ってきたので

 傘をさして

 身を寄せあい

 温もりを感じながら

 話しつづけた

 あの時間は

 ぼくにとっては大切なものだけど

 あなたにとっては

 もう忘れたい過去か

 どうでもいい記憶なのかな

 そうだとしたら

 ぼくも自分に嘘をついて

 あの日はひとりでベンチに座り

 傘をさして

 ぼんやりとだれかを想いながら

 風に吹かれる雨を眺めていた

 そういうことにしておくよ

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